2011年9月12日月曜日

藤田俊彦(49歳)        ・石巻市復興を考える市民の会

藤田俊彦(49歳)           石巻市復興を考える市民の会  
退職して医者になるために勉強して離島の医者になるのが夢であった 
受験勉強を開始していた  3/11は受験の為の勉強中だった
まず「ズドン」という下からの突き上げが有った
 ロディオにまたがったような感じの揺れが襲ってきて亀の子のようにしているのがやっとだった  揺れは2分間ぐらい続いた
母は1階に下り、2階に上がるように声をかけたが、家具等が散乱して足の踏み場がない状態で上がれず、荷物をかたずけていた
叔母が買い物から帰って来て家の中に入ろうとするが散乱物があるために玄関、お勝手の戸口を空けることが出来なかった

玄関は一部透明なアクリルで出来ていたため外の風景が見る事が出来、そこで4トントラックが、瓦礫が、人が流されて行くのを目撃
すぐに瓦礫とともに海水が家の中に侵入、階段部分に居たので水に押し上げられる 
呼吸が出来る状態だったので、もぐったりして母親と叔母を探した
自分の家族がいない 
小金浜は3mぐらいの水位があり3/14ごろから徐々に水がひき始めた 
胸のあたりにまでなったので2階から飛び降りた
この地域は警察も自衛隊もレスキュー隊も来れない状況だった
 
2階にはお年寄りが居ることは判っていたので自分しかないと思いボランティア活動へと行動する
被災して自宅で避難した頑張っている人達がこの地区は多い 
小学校の体育館等で避難している人達に対してはメディアも注目して全国の人達が支援物資を送ってくれる
自宅で被災生活をしている避難住民に対してはボランティア団体も来ないし、メディアの皆さんも来てくれなかった 
小金浜会館を拠点にして道路でボランティアの人たちに対して声をかけて呼び寄せた 
トラックに立ちはだかり止めて物資を分けてくれるように交渉したらようやく対応
100人以上の人が物資に群がり運んできた人達にも事の重大さに理解、帰ったら対応策を考えてくれる事になる 

それから徐々にボランティアが来てくれるようになる
どんな相談でも対応するように活動を開始する 
小金浜会館も建物を改修しなくてはいけないような状況なので行政に依頼したが行政の建物ではないので対応できないと云われる
金がないのであれば何とか知恵で解決できないものかと鉄筋3~4階の建物の建設を考えた 
従来と同規模では又津波が来た時には元の木阿弥になってしまう
1階は物を販売できるスーパーにしたいと思う 

ある建築家が居る 阪神大震災 建築というのは被害、災害を受けた人達、社会的弱者にこそ建築学はあるべきだとテーマに掲げている
彼のような使命感を持っている建築家はおそらくスポンサーも見つける事が出来る人だと思った
何故新たに小金浜会館を作るのかという必要性、重要性、熱い思い、哲学、使命感を切々と訴えた方がいい 
彼を動かすことが出来れば資金は自然と後ろからくっ付いてくる
ボランティアで来ている人達は結構身分を隠してきてくれている人がいる 
大会社の社長、銀行の取締役 六大学の教授等 その人達がその建築家の先生をしている
だから私が直接折衝しなくても我々がコンタクトしようと言って来ている 
失ったものも大きかったがボランティアの皆さんと巡り合えることによって大きな宝物を得たような気がする
災害時に必要なものは何ですか→水、食べ物、毛布  
圧倒的な大災害の時は人は無力ですから 水、食べ物は喉を通らない 
本当に必要なのは通信手段の確保
携帯電話こそ最上位に位置するライフラインだと思う 
これからは地域に一台衛星携帯電話のようなものを鉄筋3階に設置 電源はソーラー発電による電源確保を主張したい

一つの地域で行政、警察、消防、自衛隊 あるいは中央政府をひっくるめて複数の人間が接触できるパイプを構築しておかないと駄目だと思っている
複数の通信ルートを確保する    全てその土台にあるものは「絆」なんです 
災害に会うとお金は必要ない  何に価値があるかというと「絆」なんです
人間なんて一人では何にもできない 
大きな避難所が2つある 1つはお爺さんの時代から人間関係が強固な処 
そこには有名なお祭りがある
お祭りの実行準備委員会を立ち上げる 
打ち合わせをなんどもなんどもする
 
お祭りを通して相手の事を深く理解する ものの考え方、人柄、特技、
そうするとお祭りは進化してゆく 
そういう事を繰り返した結果 絆がどんどん強固になって行った地域がある 
その地域は震災後数日のうちに自分たちで焚きだしが出来た
もう一つの地域は新興住宅街なんです 
いろんな人が入って来てお話の出来ない地域があった 
そこは最後まで自分たちで焚きだしが出来なかった
どうしてできないのか直接に聞いたことがある
 
あの人は知らない 知らない人にはこれをやって下さいとは言えない 
言っていいかどうかも判断できない
絆を強める魔法が1つだけある 
それはお祭りをする事です 
お祭りは実行準備委員会が必要 どんな地域でもお話し合いをすると絆が強くなる
話し合い、信頼関係、人間関係、相手の人柄と特技が判る