2012年8月19日日曜日

志村ふくみ(染色家)      ・時代を作った女たち

志村ふくみ(染色家)           時代を作った女たち  
1924年滋賀県生まれ  31歳の時に本格的に染色の世界に入り 草木染めによる独自の作品を生み出してこられました
平成2年1990年には紬織りの分野で重要無形文化財保持者 人間国宝に認定されています  
80歳の時に何もしたくなくなった        なぜ突然なったのか判らなかった 
とうとう病院に入って治療を受ける     何かやりたくなってきて編み物をした
そのうちによくなってきて退院した  
布をいろいろいじっているうちに夢中に成ってすっかり戻ってきた
何か目標を持って自分が好きなことを何かするというのが一番からだによかったと思った 
布が私を励ましてくれた,慰めてくれた 
積極的にきれがこうやんなさいと,語りかけてくれた   
やっぱり自分の意志が無いとできなかった  
糸も命があるもの 色も命があるもの  小布になると語りかけてくる 不思議に思った  
布は使命を持っている      使った後 布、自分自身が主張してくる

水色を使った布を展示 
くさき(臭木)と言う植物の実を摘んできて(ほんの少ししか枝から取れないが)たきだして染めると、あさぎ色の綺麗な色がでる 
天の色を頂いた様な色   老いて童女に還る  拘らない 型にはめない  
ありのままに季節の旬の色を染める(散歩で染める色を想う) 
焙煎剤 同じ植物でも焙煎によって色が違ってくる (5種類ぐらい)   
糸は動物(蚕) 色は植物  焙煎は鉱物  3種類の恩恵で色が出てくる
織物は殆ど下ごしらえ  織る時には仕上げの段階と思っている 
織りあがると湯通しをして しんしばりを張る  仕立てをする 尺でおこなう

仮縫いをして終了する  身にまとった時にあっと思うような綺麗さがある  
着物を若い人に着てもらいたいと思っているが,抽象的な考えを織りに託している  
直線で表現しなくてはいけない 
ぼかし 嵯峨野は朝もや しぐれ  織物ではぼかしは殆ど無かったがぼかしを行った  
染めのぼかしと違い ぼかしに深みが出てくる  
一本一本の糸でのぼかし 微妙なグラデーションを出せる
緑 紫 色はそれぞれ主張がある  
糸で紫と緑で混ぜて微妙な色を作りましょうと それだったら濁った汚い色しか出ない

処が緑と紫を上手に一本一本微かに濃淡を付けながら入れると、えも言われない ある種の 邨辱色? 色が混ざらないで張り合いながら第三の色を作ってゆく 
澄み切った美しさがある     自然界のリズム 働きを持っている  
植物に対する畏敬の念が無いといけない(生きているものをつぐむ行為があるので)
同じ赤でも受け入れる赤と突っぱねる赤がある  
(苦労した人間とそうでない人間とでは内面から出てくる違いがあるように)
学んだものを生かす場が無い  苦難です 大きな悩みです  
 真面目に一生懸命やるほど出費が多い
染色の仕事を何とかして伝えたい      大事なのが日本的色彩 (精神) 
今は自然そのものが無くなってきている  
染めを織りを体験してもらう (親子)       直に触れていただきたい
自分でものを作るという事がなかなか無いので体験してもらいたい