2012年11月19日月曜日

雨田光弘(チェロ奏者、画家)    ・自由な心で描き、奏でる 2

雨田光弘(チェロ奏者、画家76歳)     自由な心で描き、奏でる 2  
画家として本格的に活躍し始めたのは 室内楽を始めた頃  
再開のきっかけは チェロをやっていた時絵はやりたいと思っていたが、先生から絵を如何して やらないのと言われて封印を解きました
(理解の有る先生だったので書いてもいいのかなあと思った)  
小さい頃から絵を描くのは好きだった 褒められると描くので、描くようになる  
3~4歳のころから鉛筆を握れるようになってからふすまなどに落書きした
父は喜んでいた 子煩悩だった そのときに怒ればやらなかったと思う 
唐紙に書いたものを切り取って保存してくれた
子供の絵は面白い 思いもつかない構図だったりする

オーケストラにいるときにも書かされたりしたことはある 
プラカードとか  今でも画家だとは思っていない 子供の頃の延長だと思っている
父の知り合いで串田孫一さんが絵を見てくれて、雑誌にさし絵として描いてくれとい言われて描いた
絵が有ってそれに文章を書いてくれた 別に作家と話あって描いた絵ではない
テーマが猫 初めは猫は好きではなかった 
家の者が猫を飼いだしたら、猫が可愛くなって、顔つきが人間と同じように、目が正面にあるし表情が個性がある
30歳代の頃  身体の動きが面白い  猫全体が私は好きで、出あったりすると猫に挨拶する 人と人を繋げてくれる
猫のチェロ奏者が4匹弾いている 猫の指揮者がタクトを踊るように振ろうとしている 
4匹の猫の一番後ろの猫が後ろを向いてあかんべーをしている絵
「遅れてきたチェリストが見た風景」 という題名 チェリストは楽器が重いから遅れてくる 後ろの人はこういう気分かなと、まえの人よりは気が楽なので   
昔の方が家族的だった (社会そのものズバリだった)
 
演奏会をやる時は皆緊張している  異常な状態なので思わぬことが起きる事がある 
水墨画 墨と水彩で描く  
頭のなかでは出来てしまっていて 紙に写すことだけの事も有るし、頭に浮かばないときも有る 割合短期間に書いてしまう
思う浮かばないときには、紙のしわから 発想して展開する時も有る  
失敗してしまった線とかを利用する時も有る
チェロはいつ何時しっぱいすることが有るか判らないので、恐れがいつ有るか 絵の方は失敗すると言う事が考えられないと言うか、何とかなる
絵の方が精神的に楽 頼まれた絵しかやらないが チェロは頼まれていない物まで勉強しないといけない

エスプリ 毒とも言えるような表現ものがあるが  動きを想像して 筆で書いているかもしれない 
筆の方がしっかりとめて書く事があるが動いているようにもできる
筆の線を生かすようにしている    見る側も次の動きを想像する 
描く時に音を想像して描く 
優しい音楽の時は優しい線で書くと言う風に、聴きながら描く事もある
絵は楽しいが、描いてしまうと、自分の手から離れて行ってしまう  
愛着がいつまでも絵に対してない   
チェロを弾いてて録音等を聞いてて恥ずかしい思いをするが、絵はその様なことは無い  
取り組んでいる割合は如何しているのか 決めてはいない 
最近は本当にごちゃごちゃになっている
 
ふっと描きたくなる 又ふっとチェロを弾きたくなる  
絵の方は昔と比べると大分変ってきた
本当に絵は何のために有るのか 
人に見せるため、人に見て貰う為に 音楽は人に聞いて貰う為に有る     
だけれども自分の無理したものを人に見せたり聞いて貰うのはあんまりみっとも良くない 
出来ることを、聞かせられる事だけを聞いて貰いたい 特に無理はしたくない  
猫しか書かない  猫を見ると人に見えるし、猫を見ると人に見えてくる