2013年4月9日火曜日

大塚貢(元校長)         ・食事から変えよう子供たちの暮らし

大塚貢                               ・食事から変えよう子供たちの暮らし
昭和11年長野県生まれ 信州大学を卒業 、中学の教師になるが、視野を広めようと、東京の建設会社で営業課活動をして、再び長野県で教師になりました  
平成4年に校長として赴任した中学校は荒れた学校でした  
授業を改革するなど色々と学校の立て直しを取り組む中で、生徒が荒れている根源は食にあると確信し、学校給食に米飯給食を取り入れました 
当時としては全国的に珍しい試みで、ご飯と野菜、魚を中心にして、ビタミン、ミネラルを多く含まれる給食を週5日提供することにしました 
生徒たちに次第に変化をもたらし真田町の教育長に就任した大塚さんは街全体にも広げました 教育界を退きましたが、今こそ子供の食を変える必要があると、食育アドバイザーとして全国の学校を始め、自治体や会社でもお話されています
 
1200人弱の学校 廊下をバイクで走ってバイクのタイヤの跡が焼き付いてとれない、タバコは吸う、不登校は60人~70人ぐらい 
20年前は全国的には荒れる傾向にはあったが、それにしてもひどかった
荒れる原因は先生たちの授業ではないかと、思って先生の授業を見ました
授業研究をやって素晴らしい先生も大勢いましたが、教科書片手に端から読ませて解らないところをただ説明するだけ、理科の教科書の図面を説明するだけでつまらなそうな態度で机に伏せている   
授業がつまらないから机に伏せているあるいは教室からでて群れてタバコを吸ったりしていた
先生たちの授業改善をするために研究授業をする、(お互いに先生が授業を見合う)先生同士で切磋琢磨する

ほとんどの先生がそうするようになって、授業に対する、生徒の態度が変わってきた
給食に取り組んだのは、まだ無気力な生徒がいる、切れる 、学校外に出て非行を起こすその原因が、わからなかった
先生たちの努力で授業が良くなっても、まだそんな問題が生きている
運動の大会等で昼にコンビニ弁当、菓子パン、カップラーメン食べる子が多くいておやっと思ったその子供たちの名前を記録しておいた

そのほとんどの子が学習に無気力、切れる、いじめる そういうところに該当する子が多かった
食にあるのではないかと、気づいた
食の調査をやった 主に家庭での食事の調査 38%が朝食を食べてこない(該当する子が多い)
16時間食べていない 空腹になるとイライラしてくる  
はけ口がいじめ、無気力になったり、授業が面白くないので非行、犯罪を起こす
給食を変えようと、PTAを開いて、家庭でバランスのある食事をとってもらうように提案する
肝心な血をきれいにして、血管を柔らかくして、脳に酸素を供給して、人間として重要な働きをしてくれる脳に酸素や栄養分がいかない

血をきれいにしたり、血管を柔らかくするように Cl、Mg、亜鉛、鉄分をとる 
魚や野菜をとってほしいと訴えた ところがほとんど若い母親は聞いてくれない
(親自身がパンとか肉とかで育ってきているから)
パン給食から学校で米、魚、野菜等に変えるより仕方がないと思った
先生たち、子供、親が大反対をした 本当に困った
栄養士の先生が、大学病院から32歳で心筋梗塞で亡くなった方の心臓サンプルを借りてきた
コレステロールが動脈に石膏化したような状態で付いている  収縮ができない
先生たちに若くして死にたかったらこのまま続ける 

先生たちはわかってやるのだから自業自得だと、しかし子供たちの命はだれが責任を持つのか
親は責任を持たない(食べたい物を食べさせている) 
先生は子供に教えることによって給料をもらっているんじゃないかと、その給料をもらう責任があるんじゃないかと、話した
心ある先生たちが立ち上がってくれて、学校給食を変えられた
全国ではじめて栄養士が教壇に上って、食の大事さを話してくれた
(先生からは教育の時間が減るので反対はされたが)
食事が体にいいということが分かってきたので、生徒も納得して食べるようになった
米飯給食を始めて、2年目のときには軌道に乗ってきた

1年目の終り頃にはタバコの吸い殻がなくなった(自分の体を自分で考えれるようになった)  
2年目の終り頃には70人ぐらいいた、不登校が2人になった
荒れている時はほとんど本を読まないが、1年目の終り頃から図書館の120個ある椅子が瞬く間にいっぱいになってしまう(そうなると床に座って読む、廊下で読む様にもなった)
人間本来の脳の活動がでてきた
  
全国作文コンクールに応募して毎年のように1位とか2位をとるようになった
学力が上がったが、目に見えて進学の状態のレベル(レベルの高い高校に進学)が上がった
CRT(民間がやっているテスト)  A(高),B(中)、C(低)ランクへの%分布
小学校の国語 書く能力 Aが全国55% この学校では88%  C 全国が24%に対して 0
中学校の数学 計算能力 A 全国63%   82%  C全国が15% に対して3%です
花壇作り 子供たちに命あるものということで野菜や動物を飼ってもらった
荒れた学校に行ったときに心を癒すものが何にもない(荒れた学校に共通していた)
花壇作りを始めた  先生から反対された (部活ができない 時間がなくなる)
子供たちも部活ができない

親も反対(泥にまみれるので洗濯が大変で)
春花壇がものすごくきれいに咲いた  秋花壇に変えた   
水をやってと言わなくても水をやったり、雑草をとるようになった
2年目から全国花壇コンクールで毎年文部大臣賞 、文部大臣相当賞をもらった
見事な花壇だった  3万本苗を育てるが1万5000本は公民館、御宮、道路の端に地域の人と一緒に植えた、(大人も変わった)
結局大人が原因を作っていた  食事、環境等
食育アドバイザーとして現在活躍している

小浜市 子供にも問題ある 市長が食の改革に取り組んだ 地産地消 
全国テスト小学校は全国平均より21点高い 中学校は全国より23点高い ダントツの全国一位
やる気のある先生が小浜市を希望するようになった(相乗効果)
数千人の規模の会社で、安全、安心な食事を社員食堂で提供するために、会社内に農業事業部を立ち上げて、有機農法でお米を作る活動を続けている
社員がいまいちやる気がない 創造性をなかなか発揮しない 病気で休む社員がいる
原因が分からなかったが、私の情報を得て、社員に話してほしいと言われた
家庭では食を変えることが難しいので、社員食堂の食事内容を変えた
やる気が出てきたと言っている 生産性が向上 休む人がいなくなった
高校の血液検査で40%が生活習慣病予備軍 今後脳疾患、がん、心臓疾患になる人がどんどん増えてゆく可能性がある