2013年8月14日水曜日

島利栄子(代表)         ・女性の日記が伝える 昭和史

島利栄子(女性の日記から学ぶ会代表)  女性の日記が伝える 昭和史 
戦前戦後の一般庶民がつづった日記や手紙を収集保存して、貴重な遺産として後世に残していこうという活動を続けて居るグループが千葉県八千代市に有ります
17年前に誕生した、女性の日記から学ぶ会
スタート時は女性会員がほとんどでしたが、次第に男性も増えてきて、現在は会員230人のうち、100人近くが男性です
これまで提供を受けた日記や手紙類は、およそ4500点、会員たちが手分けして読み説いたものは、目録を作り整理保存、更に会報誌や、ホームページで公開しているほか、活動の成果を本にまとめるなどの活動を展開してきました

現存する普通の人の日記、手紙、家計簿などを集めて、保存して、活用して、次の世代に譲り渡していきたいという事を目標にしている団体です
私は子供の頃から、趣味と言えば、本を読むこと、日記を書くことぐらいでした
結婚してからも、育児日記、家計簿、献立日記、介護日記と 約60年間日記を書いてきている
聞き書きを始めるようになってから、段々と年を召された方が、捨てるに捨てられないという想いを抱いている
これを私が預かって、次の世代に渡すように出来ればいいと思って、仲間を募って活動を始めた

空襲のさなかに、逃げるときにバックに必需品、最低の物を持って逃げるわけですが、ノートを持って防空壕で書いていたと言う方もいる
書きたいと言う想いはどんなに環境が過酷であっても、書かねば居られない思いがあるのではないんでしょうか
伝えたい思いは大変になれば大変になるほど、強いのではないかと思います
17年間に4500点集める 
会が創立した時点では日記はプライベートなものなので、中には愚痴、悪口等があるので、そんなに集まらないのではないかと思っていた

やってゆくと、珍しい活動だといろいろ紹介されて、祖父母、父母などの日記があると言う事で、いろいろ話を聞いたりして、信用をしていただいた後にあずかることが多い(時間がかかる)
傷んだものは修理して、個人、グループで読んだりして、原稿用紙に書いて、日記展をやったり、研究会をしたりしながら纏めてゆく
現在は私の家の書庫を改造して、分類して (名前別、時代順、分類の仕方をいろいろして)整理保存している
大事な宝物だと思うので、きちんと受け止めて、伝えてゆくことが大事だろうと思っている
原稿用紙に書き込んだり、パソコン入力したりしている
男性は定年退職した人が多い  八千代市で活動する月例会には25名程度集まる
 
機関誌 日記ロマン 56号になる(B5 8ページ)
個人の記録なので、時代背景が解るわけではない いろいろ人の名前、場所が出てくるので関係が解らないこともあり、初めは苦労するが、飛ばして読んでいるうちに、ぱっと解るようになったりする
何人かでやると、情報交換できる(地方の方言とか、得意分野が違うので)
展示を通して、訴えている 全国で日記展をやっている 30数回やっている
実物を取って見る機会はあまりないので、100年前の日記を手にとって見ることで目を輝かせる
書くことの大切さ、もある
入手は明治の終わりごろからになる  太平洋戦争当時の物が一番寄贈されるものが多い

戦地での遺書にも近いような手紙、親から戦地の子にたいする手紙、妻から戦地に行っている夫に送る手紙、等等 いろいろな手紙を出版物として、出さしてもらった
戦地から家族にあてた、92通をまとめたもの 夫は沖縄戦で戦死、妻が高齢になって明日へも解らない時に、妻から娘に私が死んだらお墓に入れてほしいと言う事で頼まれていた包みがあった
たまたま私の活動を聞いて、開けて観たら92通の戦地からの手紙があり、娘は寝食を忘れて、貪るように読んだそうです  とうさんと言って泣きながら読んだようです
あーこの活動をしていて、良かったなあと思った

戦時下の日記にはいろいろなものが寄せられているので未だに全部読み切ることはできない
ひもじさよりも、皆で分け合って食べた、その喜びの方が印象が強いと言っている
空襲で全員が焼きだされて、千葉に疎開して、8人が4畳半で生活して、必死で生き抜いた内容
農村の少女が慰問文をせっせと書いた物もある
戦時中、終戦直後の声にならない、民意が日記とか手紙につづられていた  心の声(本音)
本音を拾い出してゆくことは大事な仕事だと言う気がする
子供に伝える出前授業をした  小学4年生 60人ぐらい
食事日記、妻が戦地に送った手紙、絵日記 3種類を紹介した  
給食と戦時下の食事(大豆ご飯)の現品を比較をした

「聞かせて、あなたの戦中戦後」 81歳の会員の人が あと2年もすれば話せなくなってしまうので、今のうちに話させてよ と言う事になり、話を聞かせてもらう事になる
若い会員が相次いで入会された  そしてこの会は語り部の宝庫だと言われた
今年に「聞かせて、あなたの戦中戦後」のプロジェクトを立ち上げた(若者が中心になって運営)
公開トーク おじいちゃんおばあちゃんから孫の世代への語り