2013年10月20日日曜日

安井幸生(通信教育振興会会長)   ・定時制通信教育から見えてくるもの

安井幸生          定時制通信教育から見えてくるもの
(財団法人東京都高等学校定時制通信教育振興会会長)
昭和14年東京生まれ 昭和38年東京理科大学を卒業後、都立向島商業高校と大崎高校で教鞭をとりました
昭和60年に杉並区教育委員会に転出、その後都立教育研究所。都の教育庁指導部と教育行政に携わりました
平成8年に単位制高校の都立新宿山吹高校の校長に就任し、4年間、開校6年目を迎えた学校の課題に取り組みました
平成23年4月からは東京都高等学校定時制通信教育振興会の会長として、生徒の就職や就学面での支援、外部に向けての広報など幅広い活動をしています
安井さんは今年、春の叙勲で瑞宝章受賞を受けています
定時制通信制教育の現状や課題について伺います

目的が定時制、通信制に在籍している生徒を支援する全国の組織なんです
各都道府県に、それぞれの自治体の振興会があり、私は東京都を受け持っている
先生方も支援する、学校を支援する
教育関係を整える   或る学校にエアコンがないと、エアコンの設置等も含まれる
主には生徒の学校外のスポーツ、文化に支援をすることが多い
生徒に雇い主、親御さん等も含まれる
ほとんど寄付金に頼っている  東京都はだいぶ前から打ち切られてしまった

フルタイム パートタイム学校と言う風に英語から入ってきた 其れを全日制、定時制と訳した
パートタイムだから昼間があってもいい  夜間定時制はあるが、昼間定時制(看護師等)少ない
期間定時制も以前はあった(農閑期に学校を開校する)
最近は定時制も多様化している    
高校生は332万人 1割弱が定時制(11万人弱)と通信制(19万人)
昭和23年、通信制の出発のころは1万人いなかった
昭和36年になって、全日制、定時制、通信制、高等学校の中に、勉強の中味が同じにした
区分無く卒業できるようになった
若いうちに高校に行く機会がなく、大人になってから通信制を活用するようになった(お母さん)

勤労青少年が通う学校のイメージがあったが、20数年前までで、ドンドン減り始めた
無理して仕事をしなくても経済的に間にあってしまう
全日制で中途でやめてしまって、改めて卒業したいとの話があって、単位制高校ができ上った
前の単位を認める制度、残りの単位数で卒業できる
併習 2つの学校から単位を取れるとか、柔軟な制度になった
全国で全日制単位制高校は全国で300校ぐらいある
72単位で卒業できる(必修科目+自分の好きな科目)
中途退学の生徒が増えたためと思われる 一時 東京では何万人と増えた時期があった
辞めた学校には行きたくない
 
通信制が増えてきた背景 人との接し方がうまくない、苦手な子が増えてきている
通信制は入りやすくなってきたのもある
大学在学中から、NHK 皆の科学で楽しい実験室に一員として参加、司会なども経験
教育の現場と行政との両方を経験したのが、非常に勉強になった
区立養護学校、科学教育センターなどでも、自分自身が学ぶ場所がいろいろあって、随分教育の見方が変わった
自分の子供に対する接し方も変わった
今子供が何をしたいのか、聞いてあげる  子供は期待している

山吹高校3代目の校長に就任  東京都で初めて作った単位制高校
課題山積だった   
朝から学校はやっている 午前4、午後4、夜4校時 12校時がある
先生の勤務時間をどう不満なく分配するかが課題だった
4部制で 4時間単位の学校があるとすると6校になり、その他に通信制を持っていて、もうひとつ一般都民の学習する講座(生涯教育講座) 日曜日までやってた
8校分受け持っていた事に相当する 
93人の教師、非常勤が120人になった 生徒も多い 900名程度
学年の区分がないので、生徒がいろいろ混ざっている
一人一人がしっかりしていないといけない、自分で時間割を作っていかないといけない
同一集団に帰属しないので、自分がどうしたいのか、目的意識を持たないといけないことになる

満足して卒業できる学校にしないといけないと思った
野球の夏合宿、スキー教室など、生徒と一緒に行って付き合う事をモットーにした
重いものを抱えたものを心に持って歩んできた人もいました
こちらからのメッセージが届く、読み取りができるものがあって、褒める材料があると、もっぱらそれを使いました
卒業生といまだに付き合いがある生徒もいます
不登校だったので入ったという生徒もいる
人間関係を修復する為に教師と付き合って欲しい
小さいころの親御さんとの関係で引きずってきているのではないかと思ったりする

学校外の生徒の支援をする 生徒生活体験発表 50数名集められて、発表会がある
NHKも後援する、ラジオでも放送される予定になっている
それぞれの個性に沿った学習の仕方が可能であるので