2013年11月18日月曜日

吉川晃子(千歳音訳友の会)    ・録音図書で豊かな時間を

吉川晃子(千歳音訳友の会)    録音図書で豊かな時間を
北海道千歳市音訳友の会に所属 27年にわたって視覚障害者が利用する録音図書を作っています  
これまでに音訳した本はおよそ200冊 時間数にして、1900時間のカセットテープやCDを製作しています
この活動が認められ、今年の朗読録音奉仕者感謝の集いで厚生労働大臣賞を受賞されました
この賞は財団法人鉄道弘済会と社会福祉法人日本老人福祉委員会が録音図書作りを更に広め、ボランティアの方々の技術の向上を図るために設けられたもので、今年で43回目です
吉川さんは40歳を越えてから音訳活動を始めて、母親の在宅介護をしながらも活動を続け指導員としても若手の養成にも取り組んでいらっしゃいます
賞を受賞されたあとも、これまでと変わらず、週3回音訳活動をする点字図書室に通い続けています

厚生労働大臣賞の受賞は全く驚いている 私が一番吃驚している
録音図書は私一人で出来るわけではないので、代表して頂いてくるねと言って行って来ました
27年間 1900時間はほとんど小説 他の物もあるが合わせるともっと長くなる
他にプライベートサービス これを読んでほしいと持ってくる物、新聞の小説 1カ月分を切り抜きで持ってきて、個人的に持ってくるものもある
受賞作品は推理小説 鳥羽亮の作品 得意分野と云う訳ではないが
渡辺淳一 柳生十兵衛、北海道昔話とか様々なものがある
1986年 43歳のころに 子供達も大きくなっていたので、何かをやりたいなとは思っていたが、具体的には何か分からなかった
たまたま市の広報で、視覚障害者のための朗読ボランティア養成講座の募集が載ったので、本を読むのが好きだったので、これなら私に合っていると思って講習を受けに行った

アクセントが凄く違っていた 最初ショックを受けた
アクセント辞典首っぴきだった イントネーションも違っていたりして、いろいろ苦労した
自分のスケジュールと合わせて、仕事をしている 録音室に来る日と決めてしまう
週2回から3回 自宅からバスで来る 生活の中に織り込まれている
時間があったらやろうというのは意外とできない
ボランティアだから(手を抜いてもいい)というのではない 
翻訳というのは聞いて下さる方が解りやすい、聞きやすいと云うのが先ず第一だと思う
雑音、何かが入った時、これくらいはいいだろうと云うのは、本のシミだと思う
なるべく音が入らないように気を配っている
母親の在宅介護をしながら、続けていた (要介護度5)
いろう   バリアーフリーにして病院から連れてきた
週2回はお風呂とかデーサービスに、その間急いで録音室に行く

周りからは家でゆっくり休みなさいと言われるが、でも自分の時間を作れて、却って気分転換ができて、リフレッシュする
翻訳というものがあったから、母の介護ができたのではないかと思う
スタジオは2つある  福祉センターができたときに一緒に出来た
音が入るので、空調は効かないようにしている 夏は30度になってしまう
現在 会員は51名 男性7名 
読んだら、第一校正、次に第二校正に行き、指摘されたところを直して、第三校正に行って正確に直っているかどうかのチェックが入る
30分読んだら、自分でチェックして、前に進みでて行く
1冊読み終わったら、頭からもう一回聞き直してみるが、校正に出すと一杯出てきます
1冊3カ月ぐらい掛かる

でき上って、これで1冊出来あがったと、達成感を感じる
音訳と朗読は違う  音訳は視覚障害者の目の代わりなので、私の感情を入れてしまうと、感情の押し付けになってしまう
朗読は表現して鑑賞する
客観的に、意味通りに、する   男性、女性のニュアンスはあるが
だからと言って、棒読みでもいけない
利用する方の立場に立って読むようにする
涙声になるような時もぐっとっこらえて、落ちつくのを待ってから読むとか、そういったこともある
趣味で合唱をやっているが、40年になる  腹式呼吸、姿勢をきちっとする、鼻濁音を気を付ける
日本語は鼻濁音が綺麗だと思う   段々と身についてきた

ボランティアには責任感がある
生活の一つになっている 
講習会をしてもなかなかボランティアの人は増えない  
私の健康であったり、家族の理解が、長く続いたことだと思う