2014年1月9日木曜日

河西瑛一郎(高尾の森作りの会代表)  ・親父パワーで森を救え

河西瑛一郎(高尾の森作りの会代表)    親父パワーで森を救え
1940年今れ  大手新聞社で営業の仕事をしていた河西さんは、定年になる直前の 2000年に高尾の森作りの会をスタートさせました。
この会は荒廃した高尾山の森を救おうと立ち上げた。

なんで皆さんがこんなに集まってくるのだろうと、話し合ったが、普通の社会生活の中では味わえない、達成感、充実感を味わえるのではないかと感じた。
一日の汗がどこかで役に立っている様な気がすると、非常に喜びを感じて集まってくるのではないかと思う。
5月から9月まで、草が繁茂するので、植えた苗が育たないので草刈りを主にやっている。
9月~12月までは間伐、木を間引いてやる作業、1月~4月までは蔓、灌木、草を刈り、地面を出して、楽に植樹ができるようにする。
4月に植樹祭を行う。  杉、檜が8割の人工林なので、いろいろ問題がある。
花粉の問題、生物多様性の問題  杉、檜を間伐して、広葉樹を植えている。
なら、かつら、山桜などを植えて、50年かけて今8割ある針葉樹の森を半々にして行こうというのが大きな目標です。

メンバー間に上下関係がない。
定年になって社会になにか貢献したいという様な思いで入会している人が多い。
かなりの方がここでは何が必要か、何が不足しているかを自分で考えて行動する人が多い。
安全を確保する事はかなり訓練している。
チェーンソーの重大事故は13年間無い。
プロからチェーンソーを一月おきに習っている。
森林作業、チェーンソーを使った伐倒作業は尤も危険と言われている。
ボランティア団体なのでノルマはないので、安全第一でゆっくりやろうという事でやっている。
木がたくさんあるので、隣りの木に寄りかかって倒れない場合があり、之が一番厄介。
ウインチで引っ張って引きずりおろしとか、いろいろやっている。
木を倒すのには5分、10分ですが、そのあとの処理に30分以上かかったりする。

作業指針をきちんと守っていけば危険なことは無い。
①作業はお互い離れてやるように、②上下での作業はやらない様に、この二つは厳しく言っている。
パイオニアワーク チャレンジする事が皆さん集まってくる中にあるのではないか。
林野庁から任されている。
1999年にこのようなことをやろうと思い立った。
バブルのころに自然を利用した観光事業に積極的に投資した時代だったので、それに日本山岳会自然保護委員会は反対した。(私も其中に入っていた)
バブルに陰りが見えてきて、山を利用した巨大開発事業は無くなってきた。
日本山岳会の自然保護委員会の活動は反対の対象が無くなってきた。
反対でけでなく、作ってゆく様なことはないかと考えていて、林野庁のOBがいて、国有林に民間の活力を導入する、日本の非常に困難に直面している林業を広く国民に知ってもらうためには森林ボランティア団体を組織して林野庁の応援団を作ろうという様な動きがあり、それと噛み合って提案をして話はとんとん拍子に進んだ。

いろいろ調査したが、高尾山がいいと推薦されて今の場所にした。
林野庁の担当官からは、急だから大変だと言われたが、是非やらしてほしいという事で協定書を作って今に至っている。
会員は230人 60歳過ぎの人が多い。 いろんな職種の人が参加している。
新たなチャレンジする案が出ると、直ぐに対応できる様な技能を持っている人が出てくる。
元気な女性が多い。  キッチン班が大活躍してくれる。 食べるのが楽しみ。
作業終了後に山から下りてくるが、その時が楽しい。  大体100人が作業をする。
一日の汗をかいて、どっかで役に立っているという実感を持ちながら帰ってくる事が非常に素晴らしいことだと思う。
新しい森ができつつある。  多様性 広葉樹の森、針葉樹の森、紅葉が引き立つ。
お互いが補い合っている。
暗いところには小鳥はいないが、明るくなって小鳥が増えてくる。

中学校から山に登り始めて、山岳部がある高校、大学を選んで即刻山岳部に入部した。
新聞社も山を自由にのぼれるのではないかと思って入ったが全く当てが外れた。
25年経って部署が変わって、外資系の会社をやれという事で、それも軌道に乗り、外資系と言う事で夏休みも1カ月取る事ができるようになり、山に登ることもできるようになり、59歳の時に先ほど話した様な事があり森の会を運営するようになった。
運用面、資金 山の中に倉庫がほしくなるので、道具の購入もお金がかかるので、林野庁の国土緑化推進機構という団体がありボランティアを支援してくれる事が判り、申請をして支援を頂いて基本的な道具を整えることができた。
周辺の会社も支援してくれる事になる。   支援団体が19社付いてくれる。
資金は活動には足りるし、老齢化の問題も会社の若い人の参加もあり、クリアしている。

森林ボランティアは大都市はやりやすい。 休みの日は自然の中に居たいという想いはあると思う。
非常にアクセスが良い事が利点になっている。
大人数の団体だが、纏めよう纏めようとは思っていない。
各人それなりに考えてやってくれていると思う。
ボランティア団体は4~5年が賞味期限でそのあとはパワーがなくなってくると聞いているが、焦らずゆっくりやっていこうと、我々が森に育てられているという風に思っている。
スポンサー企業と一緒になって、親子森林体験スクールを3回開催している。
山で草を刈ったり、道を作ったり、木を植えたりしている。
6年間やってきた。  小学4~6年生が対象だが、中学生になっても続けたいと言う生徒が親と一緒に本隊に参加すると言う事で非常に喜んでいる。
バトンを引き継ぐ若者が育ちつつある。

高尾の森100周年 間伐した木を使って冬の暖房は高尾山の薪を使ってもらおうとか、ここから育った人が国土の森林を守ってくれるようになったら嬉しいと思う。
文明が栄えた故に森林を伐採してしまって、森が無くなって滅びて行った歴史がある。
日本の山、森林には問題もあるが、これだけの山、森林があるという事は日本の大変な財産なので、山、森林に目を向けてもらって、有難さを味わって貰えればいいなあと思っている。