2014年2月18日火曜日

熊本マリ(ピアニスト 教授)     ・ わが心のスペイン

熊本マリ(ピアニスト 大阪芸術大学教授)   わが心のスペイン

平成26年度予算、事業計画についての、NHK審議の模様を放送のため途中から放送と成る。

子供のころから、自分から目標持って、目標に向かって、宝物を探しに行く様な性格です。
グレン・グールドに手紙を書いて、会う事になる。
15歳 スペインにいるときに、カナダのトロントに行かないかと誘われて、友達の家族と一緒に行く事になる。
奇人変人のピアニストがトロントにいることを知って、せっかく来ているのでグレン・グールドに会ってレッスンを受けたいと思ったが、住所も判らず、トロントの音楽学校で練習させてもらっていた。
目の前に楽譜屋があり、住所が判らないか、聞いたが判らず、そこに来ていた人が、住所を教えてもらった。
手紙を書いて送ったが、返事はなかなか来なかったので、住所のところへ出かけた。
入口でうろうろしていたら、おばさんがいたのでグレン・グールドの家ですかと、聞いたらそうですとの返事だったが、その日はそのまま帰ってきてしまった。

次の日にもう一度行くこと事になる。
あなたの為に、手紙が届いたのかどうかを確認しますと、家政婦らしき人にいわれた。
手紙は届いていることは判って、階段を下りてきたら、グレン・グールドが来たわよといってくれて、会えることができた。(48歳だった。 彼が亡くなる2年前)
今は話せないので、マネージャーが連絡するので居場所を教えてくれと言う事で、メモ帳を出して
連絡先を控えてくれた。
管理人の人からなんて、ラッキーな人なんだと言われた。 
変人なので人が嫌いで、直ぐ逃げてしまう人だとの事だった。
その夜にで電話がかかってくる。
マネージャーから連絡があり、大事なことずてがあるとの事で、「僕はだれも人の演奏を聞かない。
何故ならば人の演奏を聞いて、僕がその人の才能を批判したり、批評をする資格は全くない。
ですから僕をそういう事をしない。才能は自分で作るものだからあなたの仕事は才能を作ることなんですよ、だから是は大切なことですから、自分を信じて頑張ってください」と言われた。
私にとって、グレン・グールドは音楽について大切なことを教えてくれた大切な人です。

ジュリアード音楽院に入学し、サーシャ・ゴロニツキー氏に師事、2年間勉強した。
コンサートの組み方 自分がアピールしたいものと、皆さんが聞きたいという様なものを半分ずつにして、私が曲をどう感じるか、わたし自身がどういう風に感じるか、曲への想いを話す様にしている。
「火祭りの踊り」スペインの一番情熱的な曲 一番最後に弾いた理由はあれを弾いただけでピアノの調率がっ狂ってしまうから。

ピアノはホールの所有するピアノ。
ピアノは木で出来ていて、生き物なので、温度、湿度によって違ってしまう。
人と似ている処がある。(若いから音が出ない、古いから音が熟しているとか)
ピアノとは対話しているような感じで、本当に演奏するときに愛情をこめてタッチによって出る音も違う。
愛する人と接しているような感じで演奏すると、全然違うんですよと教えてもらった。
日本では音の正確さを言われるが、スペインでは歌いなさい、美しい音、音色の大切さ、すごく差を感じた。
心で歌いなさいと言われたが10歳では判らなかったが、経験を積むと判ってくる。
ピアノのいいところは経験すれば経験するほど、100回同じ曲を弾いても、毎回発見があって、毎回違う風に解釈できる。

フェデリコ・モンポウ 作曲家  去年生誕100年 母親がフランス人 父親がカタルーニャ人
どちらかと言いうと神秘的で日本的。 彼のモットーは最小限で最大限を表現する。
音数は少ないが、俳句の様に、詩を書く様に音楽を書く、ピアノの詩人と言われた。
彼の曲を聞いて感動して、絶対いつの日か皆さんに知ってほしいと思って、ピアノ曲全曲を録音した。
22歳で日本に帰ってきて、それから5年経って録音した。
日本人がとても好きな感覚。 絵でいえば、墨絵みたいな感じで、聞けば聞くほど味わいがある。
瞑想的で、一人で自分を見つめたくなるような曲
必ずコンサートではモンポウを弾いている。  「秘密」 モンポウの最初に聞いた曲で虜になった。
独学で作曲しているので、演奏の中にも、響きを大切にしなさい、自由にと言うのが大切なんです。

私はモンポウを弾いていたり、勉強したりすると気持ちが落ち着いて、自分を見つめ直す、心が美しくあらわれてくるような気がする。
自分を知りたい時にモンポウを聞くと、すごくそれが音楽とともに身に沁みてくると思う。
純粋な音楽なんですね。
現在は大阪芸術大学 演奏学科の教授  
一番大切なのは音楽の素晴らしさ、ピアノの素晴らしさを伝える事、練習の仕方を教えてあげる事、私がいなくなっても音楽を好きで居てほしいという事が一番大切なこと。
ピアノやることはピアニストではない、その子にとってのピアノの良さを教えてあげて、音楽の良さ、ピアノの良さを教えてあげたい。