2014年2月2日日曜日

伊勢桃代(元・国連大学事務局長) ・こころ優しい人を世界中に育てたい(1)

伊勢桃代(元・国連大学事務局長)  こころ優しい人を世界中に育てたい(1)
東京生まれ、京都で育ち、慶応義塾大学で社会学を学びアメリカにわたる。
国際社会に引かれ、ハーバード大学では社会文化学を学び、当時ケネディー大統領、ジョンソン大統領のもとで仕事をし、国連ニューヨーク本部に入り活躍されました。
平成9年28年間務めた国連を退職されて帰国された後、女性の為のアジア平和国民基金専務理事の要職につかれ、戦争処理の問題などさまざまな問題に取り組んでこられました。
「心優しい人を世界中に育てたい」と題してうかがいます。

学生時代、福沢諭吉を授業の中で取りあげるは少なかった。
卒業してから福沢諭吉の事がドンときた。
150年前から問題があると言っていた。  男女平等、徹底して言っていた。
日本でも社会的にみると、出る杭は打たれるという事はある。
国連憲章 1946年に採択されていて、人間の生活のあらゆることを取り扱くという事が書かれている。
開発、貧困、不平等差、経済発展、社会発展、とかあらゆる課題を取り上げる。
地球の外の事も問題になっている。
国際連盟 第一次世界大戦の後に国際機構を作ったが、日本、ドイツとか脱退の問題があり、国際連盟は終止符をうつが、その後もっと権限を持たした機構を持たせて作り上げるという事で出来た。
中心になったのはルーズベルト。  先見の明の合った人。

留学して、勉強の区切りができた時に、ケネディー大統領の就任演説が大変感激するものだった。
人権問題を取り上げて
人権問題は道徳の問題であるとのことだった。
反貧困政策と言うものを作り上げた、ジョンソンが受け継いで、ピースコア、貧困対策、人種差別
を禁じるなど、寛容度の高い国でした。
声がかかって、反貧困政策で働いていた。
30歳の時から国連に入った。 明石靖さんがいましたが、当時人数は少なかった。
国連は国際公務員と呼んでいる。 
国際的人材を養成する事は望まれているが、ルーツは自分の国にあるが、見方は国際的な見方、常に世界を頭に於いての考え方、是が国際人だと思っている。
国家単位の事を考えるのではなくて、国際的なことを考える。

社会学を専攻してきたので、最初、社会経済開発、開発問題の担当部署に入った。
社会全体の動きを見てどういう方向にいくか、何がいい政策なのかを考えてゆく。
世界がよくならなければ自分の国も良くならないという事なので繋がりを考えないといけない。
昭和44年国連に入る。 当時日本は高度成長期。
日本はいい意味で積極的に受け入れられていた。 
貢献ができる、日本人は文化程度が高くて、真面目で一生懸命働く国民であるという想いがあり、発展途上国では憧れの国だった。
1960年代からいろんな国が独立していったが、その時のモデルが必要で有ったが、日本は高度な、程度の高い国だと捉えられていた。

開発問題を真剣に考えていたときで、アメリカは強い国で、進歩、開発、発展 大事だと判っていたが、そういうものとは関係ない地域、人々たちがいたが、一緒に開発に取り組むのか、それとも生きる文化、倫理とか、この人たちをどうするかと言う事については悩んだ、
直ぐにアジア開発報告書を受け持たされる。  いきなり現場に放り出されたという感じ。
自分の力が足りないという事を感じた。  
日本のシステムとは大きく違って、個人の能力を発揮していかないといけないところです。
中学、高校では英語会話教育はあったが、投げ出されてから自分でやるよりしょうがなかった。
アメリカで大学院に行って英語を身に付けた。
国連に行って大変だったのは書く事だった。
一日一日が本当に大変だった。 専門性をもって伸ばしていかなければいけないという事、周りが優秀な人たちだったので。

冷戦が終わって、事件が世界中をいろいろ襲った。
情報は真実かどうかは分からないので判断力は大事になり、難しい。 
専門性、考え方、論理的な思考、そういうものなければ、いくら英語を並べても通じない。
人材は増えているとはお思うが、日本的な考え方を盛り込んでもらいたい。
国連は欧米の思想で作り上げられたところで、大事だと思うが、欧米中心的な社会からもう一回アジアを見直していこうじゃないかという考え方が今強く出てきており、日本人は日本を理解して国連のやり方を踏襲しながら良い仕事をしてもらいたい。
欧米思想が今、一つの突き当たりに来ているのではないかと思っている。
新しく世界を見直す、新しい価値観と言うものを与えてゆくことが大事になると思う。
欧米の、米国は強力な影響力を与えてきたが、今の様な欧米的な資本主義で良いのか、法律、弁護士の力が強い国でいいのか、日本の様に法を通さなくてもいろいろ解決してきたやり方、人と人とのつながりで生かしたものができないかどうか、考え方が益々貧困者を貧困に追いやっている。

問題の解決が非常に難しくなってきている。
新しい国の在り方を考える。
日本人は親切、是は有難いことだと思う死、温かいと事があって、自然と付き合っている人たちが多いが、難しい点はアウンの呼吸、一うを知れば十を知る、と言うような日本的なやり方、とグローバルな社会ではっきりと物を言い、意見を交換して、議論して解決に持ってゆくという事、日本では今もこの違いあがあって、21世紀に関してはこれを見直して、グローバルに生きるにはこれも大事だというような行動パターンを新しい21世紀の中で考えるという事をしてこなかったのではないかと考える。
第二次世界大戦の終焉と言うものが、旨く出来てない。
新しい時代に移るという事が出来ていないというような事だと思う。
日本は決定が遅い。 
ニューヨークから本省に入り、いろんなものを決めるが、これ自体は大事かもしれないが、世界から見ると全く遅れてしまう。
中央集権の国の方が有利にあるが、中央集権の国はそれ以上に外の問題があるので、日本の様に経済的に安定した生活にある、皆が教育されている国は本当に世界に少ないので、その国民を最高に活かして、新しい方向を考えるリーダーが必要なのにリーダーが欠けている。

韓国と中国の進出は凄いので、日本はもう一回どういう方向に、どういう近代国家になるのかという事を早急に考えないといけない。
必ずしも優秀な人材が採用されていないのではないかと思います。
優秀な若い人は出てきているが会議などでは、発言する人が決まっていて、偉い人から、地位のある人からとか、若い人の発言が本当にしにくい。
それでは新しい考えは出ないし、採用されるかもしれないというようなわくわくする気持ちがほとんど止められているのではないかと思う。
企業、学校、会社、役所も全体的に日本の組織はそうなっているのではないだろうか?

21世紀は若い人のものだと自覚してもらって、早くこの人たちを巻き込んでいきたい。
日本の国の人口構造の問題 韓国、中国が大きな力を持ってきている、それをもっと考えてもらいたい。
教育が大事、 物の考え方 批判的な物の見方、自分で考える、自分で意見を持つ、是が非常に大事だが出来ていないのが現実だと思う。
交渉と言うのは、お城の明け渡しの様に城を渡しなさいとか、自害しなさいとか、そうじゃなくてお互いにどう共存してゆくかと言う交渉なので、その技術をしっかりと身につけてほしい。
いろんな意見を面白く聞けるようにはなった。
宗教が大事。 いかにある人たちにとっては大事か。