2014年3月23日日曜日

中桐万里子(子育て支援グループ代表)   ・二宮尊徳に学ぶ生き方

中桐万里子(子育て支援グループ「リレイト」代表)   二宮尊徳に学ぶ生き方
関西学園大学講師   1974年 東京生まれ、慶応大学環境情報学科を卒業、京都大学 大学院教育学研究科で博士号を取得、祖母から聞かられていた二宮金次郎と改めて向き合う事になったのは、京都大学時代の指導教官が二宮金次郎の話題に触れたことからでした。
研究の視点から見ると二宮金次郎の行動の仕方が自分の研究分野、臨床教育学のヒントになるからもしれないと思ったそうです。
かつてどこの学校でもみられた二宮金次郎像。。素顔の二宮金次郎、はどんな人物だったのか、二宮金次郎から学んだことはなどんなことだったのかを伺います。

子育て支援、いまはまだ小さな活動です。 7年目になる。 
周りからの協力があって、教育に対してのグループを立ち上げた。
二宮尊徳 (そんとく) たかのり が正式名称  
二宮金次郎の私は7代目になる。(子孫)
実際に像を見ている方は少なくなったが、意外と子供たちは知っている。
体格は立派な人、身長182cm、体重は94kg 顔も随分と彫りの深い顔をしていた。
二宮金次郎の両親は早く亡くなる。 16歳の時には亡くなってしまっていた。
貧しかった時代は少ない。 裕福な農家として生れて、災害で財産は無くすが、30代の前半には街で有数の富豪、地主になっている。
600の村々、地域の財政の立て直しに成果があって、小田原藩の殿様から、頼まれて栃木の方に移住して飛び地復興を頼まれたりした。
災害は大きなダメージを人々に与えた。
二宮金次郎はまっすぐな人だった。
 
偶然、大学院の指導教官が金次郎の話を出したところから、改めて興味を持つ様になった。
臨床教育学 京都大学で初めて作った学問領域  学校の先生のコンサルタント、学級の運営、子供たちの理解、対処について考えましょうという、相談役。
臨床=現場  現場で起きたことから、教育について考える。
二宮金次郎は人も育てたが、田畑を耕して実らせることがミッションだったが、子供を育てることと、田んぼを作ることは臨床教育学の観点から見ると凄く似ていると思う。
人間は一人一人全然違う素質を持っているので、教科書通り育つ子はいない。
田んぼも土地の性質、土の状態、水はけ、それぞれの土地の個性に依って、どうやって耕すかはオーダーメイドで、ケースバイケースで考えていかなくてはいけない。
そういったことを子育てに応用して、子供たちをどうやって理解して、個性を伸ばしていけばいいんだろうと、現場から考えようと、そういったイメージでとらえています。

二宮金次郎は自然、日常などを日記に細かく書いている。  
マニュアルは当時もあったが、自然災害があったり、マニュアル通りにはいかないので、目の前の自然を観察する事からどう対策をしてゆくか、と言う事を問われていた時代だった。
いま子供たちは、今までの教科書では解決できない、色々な問題が起きてきたり、社会が複雑になり、金次郎の手法は凄く手がかりになるのではないかと思う。
現実を自然観察する事。 昔、沼だったとか、がけ崩れがあったとか。
土を食べて、何がたりないか、地質を調べることもしていた。
冷害が来そうだとか、旱魃がきそうだとか、気象予報がない時代だったので、推測をしながら作物を選んだ。 秋ナスが知らせた、エピソードがある。
ある田植えが終わったころ、食べた茄子の漬物が秋ナスの味がしたというのが、全てのスタートだったといわれる。
秋ナスの味、農家のおじさんに聞いたら判るという。

菊の花が夏に咲いていたとか、他のいろんな観察が重なって、今季は寒さが直ぐ来るのではないかと、今は秋だと自然がサインを出しているのではないかと、寒さに弱い米を抜いて、寒冷地に適した作物、ひえやあわ を植えようと提案した。  大ばくちだったと思う。
天保の大飢饉で餓死する人々が沢山出たが、金次郎が見事に切り抜けて、餓死者が一人も出なかった奇跡の村として、そこから脚光を浴びてくる。
生き物たちはいろんな小さなメッセージを発していた。  
そういった小さな情報を客観的に観察して自分で考える。
「荒れ地の開墾、開拓は容易だけれども、荒廃した人の心を開拓するのは難しい。」
捨てられた苗を拾って集めて、植えて、実らせて一俵のお米を獲った、とか物を大事にしている。
行動あるのみ、行動を大事にしていた。

問題児だったり、困った出来事だと親たちが思う事でもでも、茄子が発信していた小さなメッセージの様に凄く大事なことを問いかけている大事なメッセージだったり、すごく大切な個性を発信しようといていることだったりするので、どうやってとらえてそれを活かしていけるか、夏の寒さが悪いのではなくて夏の寒さを活かしていけば、そばでもひえでも実のるではないかと、同じように子供たちを型にはめるから問題児だとか、悪い子だとういう風になるかもしれないが、その子たちの方から始めれば、子供たちが伸びてゆく、生き生き、きらきらしてくると言う事は実感としてあるので、教科書、マニュアルからではなくて、子供から教育を始めることは大事だと思っています。
いっぱいいっぱい可能性を持ったいるのは、子供たちですから。
大人のちょっとした言葉、対応でぐっと変わることはあるので、大人が変わることと違って、意外と速いなあと思います。

私たちが先ず子供たちを知る、信じる。 先ずは観察する事から始めないといけない。
悪さをしたときに、親は怒りを発するが (なんでこんなことをしたとか) 怒りの「なんで」を発するが、この声かけは完全に潰してゆくやり方で、 観察の「なんで」にしてもらいたい。
自分で感じた五感を大切にして、「なんで」と観察してみてほしい、そうするといろんな子供の事が解ってくる。
悪い子になろうと思っている子は誰もいないので、なすの小さな声が聞こえてくれば、どうやって育ててやればいいか見えてくる。
泣く子がいてなんでで泣き虫なのかと相談があったが、観察してみると実は口下手で、言おうとしても言葉で言えなくて、主張する為に泣いていると言う事もある。(泣き虫ではなくて自己主張が強いことが判る)
怒りの「なんで」は、その子ではないフィルターを通して見ている可能性があるので、フィルターを外し、しっかりした観察が必要。

私にとっては、金次郎の事は色々聞かされているので、「なんでもきちんと自分で考えなさい」とは言われてきた。  自分の感覚と目。
今は世界の思想学会が立ちあがってるが、金次郎の考え方をもう一度という趣旨で集まっている。
「報徳精神」  徳に報いる。 大地、太陽、等 自然たちと一緒に生きているから農業で食べていけるので、自然と一緒に生きているので、それに対して恩返しをするように生きてゆく、徳を受けて徳に報いてゆく。
「天道」 人間の力ではどうしようもない現象
「人道」 人間がいかようにも変えてゆける力
天に巧く使えながら、それに報いる。
人の進むべき道は、己に克つ、己は私欲なり、田畑にたとえれば私欲は草なり、克つとは田畑に
生ずる草を取り捨てて、我が心の米や麦を幸せる。 それが「人道」

観察もバランスなんです。 相手を観察する事が大事だが、自分もキチンと、とらえていないといけない。
ギブ アンド テーク  してあげたんだから、なんか返してほしい  見返り思想(報われたい)
テーク アンド ギブ 徳を受けている、だから 生きている(してあげよう、報いたい) 
           周りに支えられているから 報いたい     「報徳思想」 (金次郎)
①至誠 沢山の人に支えてもらったことを、知っている誠実さ。
②勤労 それを判っていればいれば一生懸命、頑張ろう、勤労しよう、働こうと思い様になる。 
③分度 自分の努力が6割、後の4割は誰かに支えてもらった、割合を考える。 
④推譲 4割助けてもらったとするなら、人に喜びを返して来なさい。
幸せを循環させる。

貰ったことを知って、それをパワーにして子供たちを生き生きと楽しんで育てていけたらいいなあと思いますし、子供たちの将来性、未来の可能性を実感しながら、育てたら毎日が楽しくなるのではないかと思うので、金次郎が描いていた、未来への希望を感じられるような活動になっていければいいなあと思っています。