2014年4月22日火曜日

井上萬二(陶芸家人間国宝)    ・井上萬二人間国宝、白磁の魅力を守りぬく(2)

井上萬二(陶芸家人間国宝)     人間国宝、白磁の魅力を守りぬく(2)
昭和9年生まれ 85歳 真っ白な白磁の壺や皿、花器などを作ることで知られ多くのファンを魅了しています。
白磁の原点は化粧しない美しさと語る井上さんは、1995年平成7年重要無形文化財、白磁保持者に認定されました。
息子康徳さん、孫祐希さんと共に白陶に励んでいます。
生家はもともと窯元でしたが、15歳で海軍の飛行予科練習生と成り、1945年に復員しました。
16歳で父の進めで、柿右衛門窯で働き始めて轆轤を学びました。
県立有田窯業試験場の技官として勤務、若い人への指導のほか幅広く独自の技を極め、窯や釉薬、デザインの研究などにも励みました。
轆轤の神様と呼ばれ、多くの人達から指示されていて、アメリカでも陶芸を指導してきました。   来年で陶芸家として70周年を迎えます。

朝は8時に仕事場に行きます。
自分で厳しく、朝8時、夕方5時まで働く様に律するようにしています。
その後、ウオーキングを1時間する。
自然の季節の移り変わり、人との出会い、明日の作との構想を練りながら歩く。
食生活にも気を使っている。 腹八分目  
月1回は健康診断、血液検査をして、医者の指示で健康管理をやっている。
煙草は40年以来吸っていないし、酒はすこしは飲んでいる。(晩酌はしないし、正月に飲むぐらい)、旅先で宴会はあるが、ビールを一口飲むぐらいでウーロン茶を飲むぐらい。
健康で明るく楽しく生きてかなくてはいけないと思う。

昭和35年ぐらいから、指導の講習を開いて、25年間 述べ500人ぐらい育成した。
窯業大学があり、毎年 2時間講義に行っている。
実技ではなく、陶芸に取り組む心の話をしている。
10の技を指導するためには、13,14,15の技を取得して絞って10の技を教えなければならない。
自己の研讃をはかっていまだにやっている。
昭和44年にアメリカのペンシルバニア大学に日本の伝統工芸の指導に来てくれないかと言う事で行っている。
トータルで24,5回アメリカの大学に行ったが、指導した人も数百名いるが、美術学部なので中学、高校、大学の先生になるコース、の指導に行く。
通訳は付けないと言う事で、渡米する前に、単語をすこし覚えて、自分一人で乗り換えて行った。
夜は宿舎で毎日勉強して、片言の英語で教えるようにした。
発音は学生たちが教えてくれるので巧くなった。

アメリカは伝統工芸がないので、自由な表現をするので、和と洋のセンス融合、newとoldの勉強ができたことはいい経験ができた。
日本国内でも旅に行ってお城、神社仏閣に行って、地方の文化を吸収して間接的な美の勉強の糧にする。
15年前にハンガリーの文化大臣から展覧会をやってほしいと言われて50~60点送って、開会式に夫婦で来てほしいと言われたので、日本の人が行けるようにツアーを組んでほしいと言った。
280人が応募してくれた。 180名は女性だったので着物を用意してほしいと言った。
お花、お茶、和楽等の先生がおおく着物を着て貰ってさっそうと歩く姿がいい文化交流になった。
ドイツが平成7年、日独文化センター、 モナコ、ポルトガル、スエーデン等で紹介を行った。
後継者の育成、自己の研さん 日本の伝統文化の紹介もやっている。
息子が55歳 大学卒業後直ぐにこの道に入った。
孫も大学卒業して、1年間社会勉強してから同様に陶芸の道に入った。(25歳)

人間は目標を持ってやらないといけないと思う。
技術とセンスを磨く。 工芸は技術を先に学んでからセンスを磨く事が必要。
最高に技術を学んだら、いいアイデアが浮かんでくる。
自分しかできない形をいくらでも生まれてくる。
いくら机の上で考えて、デザインして作ってもその通りにいい形は生れてこない。
自分が持っているアイデアを生みだした形は、作らないと生まれない。

人の物真似ではだめで、自分が想像した物で作る、その為には見るものを美に換算する様な見方をしないといけない、好奇心を持たないといけない。
展覧会などを見て、これはいいというアイデアを盗んできて、そのアイデアから自分なりの原材料で自分のものを作ってゆく。
四角いビルディングを見て、丸い壺になるような、美の感覚を求める様にする。
銀座で38回目の個展をするが、新しいものを出さないといけないので、自分自身勉強になる。
失敗したものはいいアイデアの元になってくる。
2016年 日本磁器誕生 400年になる。
有田が、若い人たちが焼き物の街として、有田に住めるような環境作りと陶芸の街を作らなくてはいけないと思う。
陶芸家もいかにして400年にわたってきた道のりと今後の展望も持っていかなくてはいけない。
400点の色々違った自分の作品を収集中です。(作成)