2014年4月5日土曜日

坂口勝春(アジア図書館事務局長)  ・ 市民が作るアジア図書館

坂口勝春(アジア図書館事務局長)     市民が作るアジア図書館
民間の図書館で坂口さんを含めて3人の人達のボランティアで運営しています。
蔵書は50万冊、そのうち5万冊を常にを展示し、貸し出しもしています。
アジアについて日本で出版された本はもちろん、アジア各国で出版さた本も数多く所蔵しています。
オープンしたのは32年前の昭和57年で、平成23年に一般財団法人になりました。
何故アジア図書館を作ったのか、どんな図書館を目指しているのか、お聞きしました。

70坪の2階建て 築30年以上になる。  手作りの本棚もある。
表題は「中国古代服飾研究」 中をあけると中国語で書いてある本。
図書資料は日本語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語・・・・多数ある。
美術全集とか個人では手に入れられないものを社会的に図書館がやらなければならない
独自性と意義がある。
アジアユネスコ文化センターが各国に共通な絵本を出そうと出版活動を行い、非常に広がってきていて、アジア図書館の良さにして行きたい。
ジャンルは問わずに本が集まっている。
90%は図書館の蔵書として、10分ぐらいのところに書庫として蓄えている。
最初の頃は自分たちで出し合って買ってきたり、貰ったりしてきた。
段々年数がたってくると、本を出版したのであげますとか、父が亡くなったので、引き取ってほしいとか、学校が統合したので引き取ることになったり、図書館に収めたいとか、本が増えていった。

民族言語を勉強する場でもある。 
60歳で定年になって、勉強する人たちもいる。
ボランティアで予算が組めない。 ローテーションを組んでやっている。
ボランティアは平日は3~5人、20人は登録している。 イベントの場合は40人ぐらい集められる。
会社で15人ボランティアで3回目になり、韓国からも来て第4次の交流で高校生が10名、手伝いに来たりしている。
関係が良くなくても、民間交流、文化交流こそ、こうやって私たちの出番だと思っている。
40年ぐらい前に10年務めてきた会社を辞めて、リュックを担いでインドを回ったこともある。
物ではないという事、物に溢れて又次々に物を求めてゆくという事が本当に喜びになるのか、幸せになるのかと、ハッとさせられた。
文化、芸術も上から目線で見てきた日本の学校教育だとか、いいのかと思った。
民族の固有な伝統的なものがそこにあ有り、村の人が演奏して踊ってくれて、歌ってくれる。
文化、伝統芸能で狂言なども秋祭りには奉納して、300年受け継いだお祭りがあって20歳になれば舞台に上がるという事をしていた。
それと重なるんですね。

明治から140年間が欧米がテキスト、教えてもらう先生だった。
それに向かって日本は走ってきた。 アジアはごっそり抜けてゆく。
アジアの文化、芸術、思想、哲学、歴史、を大事にする、物ではない、道具ではない、そこにこそ私たちは一生懸命勉強してゆこうと図書館作りを始めた。
本はいつでも自分が好きな時に教えてもらえる。 そこに本の力がある。
勉強会をスタートさせて、日本を海の外から見て、アジアを鏡にしてゆくと、自分たちを見つめてゆくまなこが二つある。
日本の中だけで見ていたら、500年前1000年前を見るのも一つの鏡、海の外からも見てゆくという事、2つを持って勉強してきたのがアジア研究会だった。
ガレージを借りて、そこに本を集めて、一生懸命勉強会を重ねながら、本を貸出しようと拡大してきた。
拡大するうちにいろんな趣味の人がいますから、手伝う人が増えてきて、本も増えてくる、勉強の場も増えてきて、文化講座をしましょうとにぎやかになってきました。

32年前は図書館の卵が誕生して、貸してほしいという人が多くなって、駅の近くにもうひとつ民間のビルを借りて1部屋、2部屋と広げて、次に引っ越していって10万冊、20万冊と成って、3回目に引っ越して50万冊になった。
お金のことを気にしていたら、きりがないので、自分たちで智慧を出して、本を集めるための仕事には場所が必要で、趣旨に賛成してくれる会員を皆さんが支えてくれる。
全国から応援してくれる。 今は1200人が支えての会費を払ってくれる。
催しをして参加されて会費を払ってくれる方、いらなくなった本をリサイクルバザーとかで運営のたしにする。
市民が作って市民が運営して、市民が支える。
公立図書館がいっぱいあるが、私たちの場合は予算がなくても自分たちで本を集めて、運営資金を何とか集めて、読みたい本をそこに揃えてゆく、アジアを理解するための特徴を持った
図書館にしてゆく、言葉も学べ、人も集まってきて、文化も学べる。総合的にできる。
そしてアジアに特化する場所は行政ではなかなかできにくい。

多様な民族、多様な文化 それを理解してゆく為には、日本に来ている人がいるので、口コミで教えてあげましょうとか、いってきてくださる人がいる。
本を通じて、20カ国以上と付き合いたいが、現在5カ国、6カ国 と交流。
本をドンドン送っている。インドにも2万冊送った。 
日本語教室を作りたいとかプロジェクトの呼びかけもある。
海外からも呼び寄せて、催しをやったりしている。 7年連続してやったこともある。
本に触って見ようという風にしなければいけない。
その入り口はなんでもいい、写真集、音楽、料理教室、そういう事が入り口で、次には本を読んでみようと、間口を広げて、敷居を低くして、誰もが近寄れる場所にしたい。

本が集まって、人が集まって、次に資金を集める事に挑戦している。
全部合わせて皆が利用できるようにしたいが、そのためにはもっと多くの人に応援してもらいたいと思っている。
これからの50年 100年は否応なしにアジアの人と付き合っていかなくてはいけないので、アジア図書館を施設として、皆が勉強できる場を作りたいので、100万冊並べて、その為の資金を集めてゆきたい。
先につながる図書館にしてゆきたい。
先ずは廃校になった小学校に移していきたいと思っているので、宣伝している最中です。

自分の為に自分の人生はあると、いう風な考え方はでき上っていて当たり前かもしれないが、それだけでいいのかとの想いはある。
自分も支えられているし、今の社会に感謝しながら何か役になる事をやらなければいけない。
一人で生きている訳でもないし、助けられている、次にバトンを渡してゆかなくてはいけない。
飲む水は次の、次の世代、 アジア図書館と言う井戸はドンドン汲んでも汲んでも湧きががってくる井戸にしたい。
直ぐには目に見える効果はなくても、湧いてくるところまで作っておけば、社会教育としての井戸を一つでも二つでも作っていきたいと思っている。
アジアの足元を見ることに依って、気が付くはずなので、市民が市民に依る出来ることをやれば、意外や意外出来るじゃないかと言う事です。
バトンタッチするためにはあと10年、は一生懸命身体を動かしてアジア図書館のレールを敷いて、後にバトンタッチしてゆきたい。

付き合えば必ず友だちはできるので、草の根の文化交流で友だちが沢山出来れば、100万人、200万人友だちを作れば、戦争などはやろうという事がなくなる。
皆が智慧を出しあい、持ち寄って、本が集まってきて、それが社会の文化のインフラだと思っている。