2014年8月6日水曜日

三登浩成(胎内被爆者)     ・被爆を語り継ぐ

三登浩成(胎内被爆者)     被爆を語り継ぐ
三登さんは68歳 、母親のおなかの中で被爆した胎内被ばく者です。
高校で英語の教師をしてきた三登さんは、平和運動にかかわった経験はありませんでしたが、50歳の時に被爆の語り部の話を聞いたことが転機になりました。
58歳で教師を退職した後、原爆ドームの前に立ち、雨の日以外はボランティアで、訪れる人たちに原爆について語り始めました。
是までに三登さんの話を聞いた人は22万人だそうです。
三登さんは英語でも語るため158の国と地域、3万人の外国人も三登さんの話を聞きました。
被爆について三登さんは何故語り続けるのでしょうか、伝えようとしていることは何でしょうか。

ガイドを始めて、一番目的とするところは何かと言うと、世界中の多くの人が広島で実際に何が起こったかと言う事を知ることが、核廃絶の一番確かな道だと思うんです。
世論を変えてゆく、本当のことを知ってほしいと、云う事が一番ある。
朝9時前から5時頃までやっている。 雨の日以外はほぼ毎日やっています。
ファイルブックの中に、写真、イラスト、図表が入っていて、其れを見せながら説明する。
言葉だけではどうしても判らない。
モットー 事実を正確に 判り易く、心に響く様に。
被爆者健康手帳は最初に見せるので、ぼろぼろになってしまっている。
妊娠4カ月の母親が、爆心地から7kmに疎開していた。
3日後に自分の家が心配で見に帰った。(被曝する)
被爆者健康手帳を貰ったのが20歳の時、その時気が付いた。

母は被爆状況については一切言わなかった。
小さい時から病気ばっかりしていた。 小学校の間は1年間のうちの1カ月は休んでいた。
長生きはできないだろると思っていた。
父も被爆したが、父は93歳まで生きたが、母同様被爆時の見た状況は一切話さなかった。
医者になりたかったが、挫折して、父も親戚も教師だったので、英語の教師になった。
英語を使って広島のことを伝えられるので、結果的に良かった。
英語教育については、英語の語源とか、文化的背景とか、興味を持てるように教えていた。
50歳を越えたころに、被爆者の人の話を聞いた。
ショックだったのは、原爆の実相を、如何に知らないかということ、被爆者が言ったことが、歳だからそろそろ外の公園を回りながら日めぐりをするのが、体力的に難しいと、私の出番が来るのではないかと直感した。

58歳で退職。 教師を続けることが精神的に辛かった。
公募でガイドをしませんかと、新聞にあって、その時に入ってやり始めたが、修学旅行は春と秋にしかないので、説明したくても出来なくて、原爆資料館のボランティアにはいったが、1週間に一回しかできない。
ドームのそばで話しかけるしかないと、60歳の時から本格的に始める。
最初、1年間に2000人ぐらいだった。 
もっと大勢の人に伝える方法はないかと、いろいろ改善しながらやり始めた。
試行錯誤で今のスタイルになった。
一通り説明し、興味のある人は討論したり、疑問に答える様な形式で行った。
修学旅行生 年間70校やっている。  評価が直ぐ返ってくる。
授業と違って一回しかできない。  一期一会 緊張感もある。

本を買って読んだり写真集とか、200冊ぐらいはある。
新しい情報を得ながら、話に加える。
母の父親は悲惨な亡くなり方をしたことは、母から僅かに聞いた。
家族に起こったことをキチン話せなくてはいけないと思って、手記を書いてくれと頼んだが、けんかをしたりしながら1年掛かった。
日本語版が出来て、次に英語にしてほしいという要求が外国人からあり、(オーストラリア)世界中に広めたいと、母の手記をブログに載せたいと言う事で、知り合いのイギリス人にたすけてもらって展開した。
わたし自身4年前に日本語のブログを立ち上げ、手記を掲載、最近英語でも作った。

聞いた人は22万人、外国人3万人 毎日やっていたらそうなった。
ごく最近 アメリカ人が私のことを知ってほしいと言う事で、夫婦で核廃絶のドキュメンタリーを(20分間)作って、日本の大学とアメリカの大学で上映活動をやっている。(資金は寄付で賄う)
中国人の留学生が、中国の人にも読ませたいと、半年前中国語にして、作ってくれた。
チェコの人もチェコ語に現在翻訳中です。
外国人が知りたいこと 
①残留放射線がいつまで残ったか。 
②本当のアメリカの核を使った意図、目的、何故広島か。   
③アメリカ、アメリカ人に対して日本人、広島の人、被爆者、私がどういう感情を持っているか。
外国人の質問は鋭い、かなり勉強しないと、説得できない。

噂を聞いたりして、今10人になる。 最近若い人が入ってきて嬉しい。
フラインス人の留学生も参加してきている。
前よりも元気になったと言われる。
100%私の考えで出来るので、ストレスは無いし。
同じ内容でも、自分で読んで理解するのと、体験者、被爆者の生の声で聞くのは全然違う、心に響く、文字だけ読んだのでは心には響かない。
高い望みを掲げるとしんどい、できること、やりたいことを無理なくやるのが、長続きする。
義務感はそんなにない。 自分がやりたいことをやっている。 無理があると長続きしない。