2014年10月3日金曜日

阿部知暁(画家・アフリカ学会会員)・ゴリラを描き続けて30年

阿部知暁(画家・アフリカ学会会員)    ゴリラを描き続けて30年
阿部さんは昭和32年高知市の生まれ。  45年前小学校の修学旅行で、ゴリラと出会いその時何故か初対面のゴリラが笑った様に思えたそうです。
阿部さんは父親が画家だったこともあり、大坂芸術大学に進みますが、作品の方向性とテーマに悩んで、上野動物園に好きなゴリラに逢いに行きました。
人気者のゴリラを見ているうちに、好きなゴリラを描く事を決心し、以来ゴリラを描き続けています。
日本、ヨーロッパ、アメリカの動物園、アフリカの野生のゴリラを含め、1000頭以上のゴリラと出会いました。
ゴリラを描いていると、ゴリラの子供が阿部さんの絵を覗きに来たこともあるそうです。
ゴリラはゆっくり反応し、ゴリラ時間があるのではないかと、感じると言います。

小学校の修学旅行の栗林公園の動物園で初めて見て、笑ったように感じた。
その瞬間から、なんかすごく好きになった。
絵を学び出して芸術大学にも行ったが、方向性に悩んで、悩んだ挙句に、上野動物園の「ブルブル」という有名なゴリラの前で、相談した。
にやっと笑って、描けるかい、と言った様に感じた。
ゴリラの事について、色々調べたが、判らないことが多くて、様々な疑問が出てきて、当時の上野動物園の北島さんが、そんなに見たいんだったら、見てごらんと近くで見せてくれたりした。
東山動物園では当時4頭のゴリラがいて、そんなに好きだったたら、見なさいと言ってくれて、見せてくれた。
段々好奇心が出てきて、山極 寿一先生(ゴリラ研究では著名な先生、 現在京都大学総長)を訪ねて、優しく色々教えてもらった。

野生のゴリラと飼育されているゴリラは違う様な気がして、一大決心をして、アフリカのジャングルに入ることにしました。
人が入れるところがあり、たまたまツアーがあって、運よくツアーに入ることができて、マウンテンゴリラと東ローランドゴリラの森に行く事が出来ました。
マウンテンゴリラは高地にいるので、登るのに大変だった。
私たちは訪問者なので、風邪をひいていたり、病気になっているとゴリラに対して問題が生じるといけないので入れない。

大きな群れがいて、描いていたが、のろのろと動いているので、ゴリラの3歳ぐらいの子が、私のところに来て肩を抱く、頭をつっついたり、描いている絵を覗いたり、最終的には私の頭をぽんとやって、ケタケタと笑って、親の元に帰っていった。(阿部さんの肩を抱いている写真がある)
東ローランドゴリラの群れの中にいる父親ゴリラが一緒に3mぐらいのところにいる写真もある。
食べている時はゆったり、のんびりしている。
案内者とゴリラは顔なじみなんだと言っている。
皆友達なんだから、大丈夫だと、案内者が言ってくれた。(優しい気持ちで接する事が大事)
動物園のゴリラは西ローランドゴリラ、TV等で放送されるのはマウンテンゴリラ(3000m級の高地に住む)。
西ローランドゴリラが住んでいるところは、低地で湿気と暑さで、蒸し暑いところ。
菜食主義で、葉っぱ、タケノコ、果物を食べたりしている生き物。
気が優しくて力持ちと言う事がゴリラに当てはまる。

ちょっとした変化、脅かされたりすると弱い、下痢をおこしたりする。 細やかな神経を持っている。
1000頭以上のゴリラに会っている。
30年前には北海道から九州までいたが、最近は少なくなった。
怒った時、よく来たね、といったときにはそれぞれ違った音声で対応してくれる。
イギリスのゴリラ「、ジュジュ」というお母さんゴリラ、自分が食べたい美味しそうな物があると、鼻歌を歌う。
飼育係さんが、鼻歌を歌っていると思っていたら、そうではなかったので吃驚した。
森でも、ハミングしているゴリラ、がいるといわれる。
NHKが放送していたゴリラの番組があった。
顔が嬉々として、走りまわっている画像を見て吃驚して、聞いて回ったが判らなかった。
BBCの放送で、イギリスのケント州にある、ハウレッツ動物園だという事が判った。(24年前 海外ゴリラスケッチが始まる)
寿命は30年~40年 
イギリスのゴリラの祖父母の時代から孫の時代までの付き合いとなる。
イギリスの動物園ではゴリラの繁殖が巧くいっていて、秘密があった、ゴリラと言うものは、上に登って手足を鍛えねばならない。
日本のゴリラは手足を鍛えるところが無かった。
ゴリラの動きは俊敏に動きつつ、のんびりゆったりしている。
ゴリラの時間と人間の時間は違う。(山極先生の著書より)

ゴリラに対し子供達はどのように接するのか?
①恐い、恐いと叫ぶ子  ②優しそう、大好きという子 二つに分かれる。
恐いよと言う子は、両親に対して凄く自分を見つめてと言う欲求を目で訴えるし、身体でも訴える。
優しそうという子は、その子自身が満ち溢れている。
木登りゴリラ  美味しい果物、葉っぱがあるときには、俊敏に登るが、そうしないと美味しいものに出会えない。
三角おむすびが連なった様なウンチをするが、腸の関係でそうなる。  オナラも大きな音をする。
ウンチの臭いはあまりしなくて、繊維質、果物の実があり、森の再生にも役立っている。

ゴリラの目の先には蝶が舞っている絵があるが、会っていないが、これを研究している山極先生とか、京大の大学院生の壺川さんと言う方などがドンドン資料を見せてくださって、いろんな話をしてくださって描けた絵です。   感じのいいゴリラです。(ガボンのムカラバのゴリラ 「ムル」)
ゴリラから学んだこと
苦しいことがあっても、何があってものんびり、ゆっくり、道は開けなければいけないとか、あくせくいろいろ考えても仕方ないこともあるし、でも打破できるかもしれないという事をゴリラから学びました。
明日、明後日の事を考えるのではなく、今を大切にのんびりゆったり、生きなさいと言われている様な気がします。