2015年3月25日水曜日

村山 司(東海大学海洋学部教授)   ・イルカと話したい

村山 司(東海大学海洋学部教授)     ・イルカと話したい
山形県生まれ 54歳 高校時代に見た映画がきっかけで、高校生のころからいるかの研究者になることを夢見ていました。
現在は千葉県の鴨川シーワールドのナックと言う白イルカと話すことを目指して研究しています。

いるかの研究者の数 行動知能に関する研究者は少ない。
水族館で実験して知能を調べてという人は私ぐらいしかいません。
高校時代に映画(「いるかの日」 1973年アメリカ映画))をTVで見たのがきっかけで、この道に入ることになった。
研究者といるかが会話をしている内容の映画で目が釘付けになった。
研究すればいるかと話せるんだと思い、心に決めた。
基礎的な実験という事で全国各地の水族館で、色々な実験をして、視力、いろんな能力を調べ始めた。
鴨川シーワールドのマリンシアター ガラス張りの水槽が有り、そこにたまたまナックがいた。(1991年頃)
ショーを見てたりすると、なんか出来そうな感覚、賢こそうな感覚が有った。
もう20数年の付き合いになる。

先ずは単語を教えようと、名詞を教える。
身近なものとして、長靴、バケツ、足ひれ、水中メガネを教えようとした。
今完成しているのが、それをナック語で呼ぶ事なんです。
りんごをアップルという様に足ひれを見てナック語で呼ぶという事に成功して、次に、足ひれ等を字で書いて文字でも読まそうと思って成功してます。
ナック語 足ひれを見せたときにはピー、マスクの時にはぴーーーと長くなり、それぞれ違って声を出して話す。

次にまねをさせることをやりました。
人の言葉を真似できるのかを実験をした。
トレーナーがしゃべった言葉を真似をする事が出来る。
声は頭の上に呼吸する穴が有り、その穴の奥に一杯袋状の物が有り、そこを空気が出入りするときに音が出るらしい。
初めて「つかさ」(私の名前)を話したが、ちゃんとまねてくれた。
いるかはクジラの仲間で、ひげ板があるのがクジラで、歯が有るのがいるかとなっている。
いるか、クジラの仲間はいったん陸に上がったのが、また海に戻って行った。(今から6500万年前
と推定されている)

えさの問題で生存競争に負けて、海の方が餌が取りやすいという事で海に戻ったのではないかと考えられている。
カバといるかは近い祖先ではないかと考えられている。
いるかは群れを作るが、群れを作ると社会行動できてきて、賢さを身につけてきたのではないかと思う。
人の脳は1400gぐらい、いるかも1400gぐらいの脳をもっている。
チンパンジーよりも賢いのではないかとも言われている。
実験を半年の間あけても覚えているので記憶力は凄くいいと思う。。
コミュニケーションを取りたいと思っているが、その第一歩として言葉を覚えてもらっている。
ショーではトレーナーから一方的にいるかに指示を出しているが、いるかからはこちらに指示を出したり希望を言ったりしないので私はそこをやりたいと思っている。

いるかを研究したいという事で東北大学も選んだが、当時食料の対象と言う事で、いるかの行動、知能、言葉などは全然相手にされなかった。
いるかについて独学で始める事になる。(博士課程)
東大の修士課程では、ハゼの産卵、成熟などをやっていた。
最近、与えられたものはやるが、与えられないと諦めててしまうという学生が物凄く多い。
先生の側も昔みたいに、いいよいいよやってみたらという様な事は無くなってきたのかなとも思う。
諦めないで、一生懸命必死に努力すれば少しはかなうところまで降りてくる。
食いっぱぐれてもいいから、夢を追いかけるんだというそういうロマンあふれる学生は御目にかからなくなったと思います。
私は就職には苦労をして、アルバイト、塾の先生等をやって、2000年東海大に入るまではいるかの研究は出来なかったが、その間もいつかできるだろうとの思いはあった。
20年前からいるかブームみたいなものが起きてきて、いるかを研究したいという学生が段々増えてきた。
ナックに何をしたいと聞いてみたい、その時に何と答えてくれるか、そこが私のゴールだと思っている。