2015年6月11日木曜日

守安信介(ボーイスカウト指導者)    ・ボーイスカウトを通して子どもを育てる

守安信介(ボーイスカウト指導者)    ・ボーイスカウトを通して子どもを育てる
67歳 今年の夏4年に一度世界中から3万人のボーイスカウトが集まる大会、世界スカウトジャンボリーが山口県で開催されます。
前回日本で開催されたのは44年前で、守安さんはその時指導者として参加し、世界の仲間たちとの出会いが人生に大きな影響を与えたと言います。
その後も守安さんは国際的なイベントに携わって貴重な体験を積み重ね、今も活動を続けている数少ない一人です。
守安さんはボーイスカウトの子供たちにも 、異文化に触れてたくましく成長してほしいと願っています。
自分の体験の恩返しをしようと、今年の夏、世界スカウトジャンボリーで海外の子供たちのホームステーの受け入れ準備に力を注いでいます。

ボーイスカウトは世界最大の青少年育成団体で、世界162の国と地域で3000万人が活動している。
運営と教育をしている、小学生から25歳までが、年齢によって5つの隊に分かれている。
キャンプ、奉仕活動等するが、その費用をやりくりしたり、指導者の養成をしています。
当世田谷はカトリック三軒茶屋協会が育生成会、母胎になっている。
親御さんとのコミュニケーションも大事なので保護者会も開いている。
母の勧めで9歳から始めました。
先輩から自然の中でテントの張り方、ロープの使い方などを教えてくれました。
一晩中30kmをひたすら歩いたり、キャンプファイアーで歌ったり踊ったり毎回わくわくしていました。
高校生年代は50km、大学年代は100km(24時間がタイムリミット)。

イギリスで100年以上前にボーイスカウトを始めたベーデン・パウエルが残した言葉で、「指導者が少年の心をもち、少年たちと同じ立場に自分を置かねばならない」と言う言葉あり、私の座右の銘と成っています。
1921年(大正10年)にイギリスを訪問した昭和天皇、(当時皇太子)に謁見して、「スカウト教育は信頼される人間を作ること、その目的は世界平和であること」を強調したと伝えられている。
言う事を聞かない子がいるが、違う年代のグループの中で、少し年上の子が注意するようにと指導している。
私のような指導者が言うよりも効き目が有ります、それでも言う事を聞かないようであれば大人が指導します。
様子を見てまめに声をかけて、できたことを褒めて褒めて褒めまくる。
紳士的なガキ大将になってもらいたい。

英語を勉強したかったが、西ドイツは留学生は授業料がただ、滞在費も安い、22歳から2年間西ドイツに留学することになる。
大きく違う点は、スカウトの子供達が戦争中にヒットラー少年団として、利用された非常に悲しい歴史が有り、国旗を掲揚しない、行進をしないというやり方でした。
ベルリンの壁、大きな壁を見たときには、とても悲しくなって言葉が無かったです。
この時から世界の平和がいかに大切か、自分はどう行動したらいいかを深く考えるようになりました。
44年前、静岡の朝霧高原で開催された世界スカウトジャンボリーにドイツから参加。
相互理解をテーマに87の国と地域から23000人が集まる。
ドイツ人と日本人の間で会話が進まないのでサポートをした。
大キャンプファイヤーなど、お国自慢したり、充実していました。
開催中に台風が直撃し、緊急避難命令が出され、近くの学校にバスで移動、不安を感じさせないように一緒に歌を歌ったりして一夜を過ごしました。
物おじせずに行動できた。
ドイツのメンバーは東京に移動、私一人取り残されて、後かたずけが大変だった。
ドイツの隊長からお詫びの手紙が来て、ドイツに帰った後、自宅に隊長が来てくれた。
ドイツ人はとっつきにくい様な感じがしたが、そのような行動は新鮮な驚きだった。

20年前にオランダで開催された世界スカウトジャンボリーに日本から派遣される、東京から40人の団体を他の指導者とともに引率、その後イギリスにホームステーする。
寝室は屋根裏部屋で、布製のベッドで寝ている時に布が破れて、床に落ちてしまった。
子供達の中にはプールが有る豪邸に泊った人もいました。
一番問題だったのは飛行場についてあと2時間無いと言いう時にパスポートが無いと言いだして、
緊急にやってもらってホストファミリーが届けてくれ、助かったことが有ります。
帰って来て、前よりも結束感が強まり、積極的にとりくむようになりました。
世界の平和を考える貴重な体験になったと思います。

13年前に大阪で開催された日本ジャンボリーで、海外からの指導者のお世話をする。
23の国と地域から来た102人を6人で対応したが、てんてこ舞いだった。
モンゴルから来た女の子がいなくなってしまったが、好きになった日本人の女の子のテントで見つかる。
モンゴル人の指導者と身ぶり手ぶりで話をして、日中はその女の子と過ごすことで纏まった。
誠意をもって話し合うと、どんな言語でも、どんな人種とでも判り得ると確信しました。
消極的な子供が増えている様な気がする。
声が小さい、自分が何を主張したいのかが聞き取れない、何を考えているのか分かりにくい。
公園に子供達が少ない。
子供達の魂は変わらないと思う、取り巻く環境が違ってきたと思う。(少子化、周りの自然)
子供は揉まれると大きな声を出す様になる。(旗取り合戦等のゲーム)
違反行為のない様にルールを厳しく管理する。

今年山口県で世界スカウトジャンボリーが開催される。
中学生、高校生162の国と地域から集まる予定していて、その内1万人がホームステーを予定、東京世田谷区で50人の受け入れで代表を勤めていて忙しい。
イギリス40名、チェコ10名 英語で交流できるように取り組んでいる。
国際的なイベントに数多く参加させてもらって、その恩返しを、と思っている。
ホームステーで日本の普通の生活を体験してもらいたいと思っている。
「できれば死ぬ前までに、他の人に幸福を分け与えられる人生でありたい」
(ベーデン・パウエルが残した言葉)
これからも人の為になることを続けていきたい、子供達が伸び伸びと遊んで成長する様な支援をして行きたい、平和の世界の大切さを判ってもらえるよう、子供たちと指導者への指導に力を注ぎたいと思っています。