2015年12月12日土曜日

棚橋昭夫(元・NHKプロデューサー) ・「お父さんはお人よし」ラジオ文化に生きた大阪弁

棚橋昭夫(元・NHKプロデューサー) ・「お父さんはお人よし」ラジオ文化に生きた大阪弁
「お父さんはお人よし」は2回分しか録音されていない。
昭和32年7月1日 第123回を聞きながら棚橋さんに伺います。
花菱アチャコ、 浪花千栄子と12人の子供が繰り広げるラジオドラマ、500回続いた人気番組。
棚橋さんがこの番組のプロデューサーを担当。
棚橋さんは入局が昭和27年、大阪局に昭和31年に転勤、現在86歳。

「お父さんはお人よし」は月曜日の午後8時から放送。
第一スタジオ、4本マイクがあり、お父さんとお母さんは中央に、その他には中堅等の役者が変わり番こに来ていた。
昭和29年にスタートして、31年夏にNHK全国聴取率調査で43.8%だった。
大人気番組「三つの歌」を抜いてトップになるが、そんなに気にはしていませんでした。
12人の子供がいるが、鉄道唱歌の順番で名前をつけて、長女は京子(京都)、一番下は新子(新橋)その間を10人の名前を付けている。
ドラマの放送・・・静子の婚約解消の事についてのいきさつの内容を放送。
日常のスケッチ、ごく自然な日常を描く。
長沖一 作者 不自然なことは良くないとの想いがある。
お母さんがお父さんをやりこめるところに笑いを誘う。
花菱アチャコ、 浪花千栄子 共にアドリブをうまく行う。

花菱アチャコは福井出身、小さい頃大阪に来る、セリフは多少漫才の流れはあるが、ぼそぼそという様な会話になっていて、逆に生きる。
浪花千栄子 は大阪府南河内出身 
「お父さんはお人よし」を聞いて全国でこうありたいとの反響がある。
長沖一さんの台本も比較的丁寧な会話、浪花千栄子さんも旨く大阪弁の良いところを伝えたいとの思いがあった。
長沖一さんは東京帝大出身で真面目な感じで学者風で、一方ではひょうひょうとしていた。
盲腸で入院中にも口頭で言って、実体験をそのまま台本にする。
本番もアチャコの痛い痛いぶりが大受けだった。
特集番組で「三つの歌」とのコラボレーションを行う。(アチャコが三つの歌に出演する)

民放との競争は一時期あった。
民放では役者との契約があり、使いたくても使えない時があり、若手が出てきて、かしまし娘が使いたくても使えなかった。
東京には中味では負けないぞ、という思いはあった。(三つの歌、二重の扉、話しの泉など)
当時は戦争が終わって、電波が解放されて、民放が出来て、活気がありました。