2016年2月17日水曜日

福島 智(東京大学教授)     ・ヘレンケラー ワンダーランドを作りたい

福島 智(東京大学先端科学技術研究センター教授)・ヘレンケラー ワンダーランドを作りたい
昭和37年兵庫県生まれ 3歳の時に右目、9歳の時に左目を失明します。
18歳の時には耳も聞こえなくなります。
10代の多感なころに目が見えず、相手の声がどんどん聞こえなくなることへの、恐怖心、福島さんにとって光と音のない状態は、まるで魂がむしばまれていくような状態だったと言います。
そんな福島さんを救ったのは言葉です、母親の令子さんが思いついた指点字でした。
掌に指で言葉をつたえ会話をすることでした。
さらにパソコンなどので電子機器の発達で研究活動も便利になり世界の人達と議論できるようにもなりました。

先生の隣に若い女性が2人いて、話した言葉を福島さんに伝えて、指点字で話していただく形式。
片手3本、両手で6本の指で話している事が伝わる。
「ヘレンケラー ワンダーランド」を思いついたのは 「僕の命は言葉と共にある」という本の中にある、テーマパークみたいなところで光も音もない状態にして、ヘレンケラーと同じような世界を体験する事をやったら、見える人もいる中に、ヘレンケラーの様な人もいる、私にとって理想の社会なので、現実の社会がそういうものになってほしいという事、みんな一緒にその国で暮らしている、そういう状態が・・・だと思っている。(全体的に良く聞き取れず)
障害者や高齢者の前に存在する生活上のバリアの実態を明らかにし、当事者の視点や生活実感を研究の立脚点にバリアの撤廃を目指す研究。
今、日本が抱えている高齢社会、機能が衰えてゆく、段差などで躓いたりするが、障害にならないようにしてゆくためにはどうしたらいいか等、物理的なものだけではなくて、法律、制度の中にあるバリア、壁をどうやったら取りはらっていけるか、人の心の中にある壁、男性と女性の間にもある心の壁、そういった壁をどうすればそれを取り除いっていけるか、広い意味でのバリアーフリーだと思っている。

様々な条件を抱えた人達がそれぞれ社会に加わっている、それが大事なことですし、目と耳が聞こえない人にも・・・・・ ヘレンケラーワンダーランドだと思っています。(全体的に良く聞き取れず)
・・・鍵を握るのが言葉、思いの根っこにあるのがそういう気持ちです。
光と音の代わりに人と人をつないでゆく大事な命綱がここにあるのかなあと思います。
言葉に依って生きている部分があると思います。
2001年10月、初めての国際的な盲ろう者団体、世界盲ろう者連盟が発足した時に、指点字に依って真っ暗な真空状態から救われた時の感動を私は詩にしました。
「指先の宇宙」
「僕が光と音を失った時、そこには言葉が無かった。 そして世界が無かった。
僕は闇と静寂の中でただ一人、言葉を無くして座っていた。
僕の指に君の指が触れた時、そこに言葉が生まれた。
言葉は光を放ちメロディーを呼び戻した。
僕が指先を通して君とコミュニケートするとき、そこに新たな宇宙が生まれ僕は再び世界を発見した。
コミュニケーションは僕の命、僕の命はいつも言葉と共に在る。
指先の宇宙で紡ぎだされた言葉と共に。」

10代で光と音のない世界に入った。
最初凄く落ち込みました。
真っ暗な世界に放り込まれたんで、・・・・。
小さい時から目と耳が悪くなってきて、右目、左目そして右耳、左耳とその過程が不安で、・・・ここまできたらこれ以上悪くなるとはならない、と思って発想を変えて・・・。
言葉のむこうに人の存在が、友達とか、ボランティアとか、私を育ててくれたくれたこと、人間は自分一人では生きていけない、・・・具体的な言葉を伝えてもらうという事があったから、生きていけると思った。
・・・見えないし聞こえないが、メロディーだとか聞こえないが、言葉を語り合い言葉があったらそこにパーっと明るい光がきてメロディーが聞こえてきた。

友達の言葉として思索(詩作?)は君の為にあるという風なことをつたえてもらった。
・・・・・。
対談があり、北方謙三さんにお会いして、落ち込んでた時代があって、その時に北方さんの・・・で凄く救われたことがあって、会談後書いていただいて、先生の言葉は子供ですとおっしゃって、・・・
言葉は大変コミュニケーションの手段として大事だと思います。
不安、孤独に打ち勝つために、・・・ 不安とか、孤独今もあります。
孤独や不安は克服するのではなくて多分寄り添って生きているんだと思います。
9歳で見えなくなり、18歳で聞こえなくなってしまって、音も無くなりあまりにもひどいと思ったが、・・・何に対して言ったらいいのか、判らず、色々考えて、・・・自分の力で生きている訳ではないという事、・・・自然が、神様が、誰かが、・・・ 盲ろう者にしたんだったら何か意味があるのかなと思ったんです。
・・・将来生きてゆくための畑肥やしみたいなもの、・・・思う事にした、こじつけですが。

・・・言葉は単に文字で書かれた言葉よりも、人は人に対して語る言葉というのが凄く大きな力を私に与えてくれたという、そういうメッセージを込めています。

引きこもりの人達が何故引きこもってしまったのかとか、この人が伝えたい社会に出て来る時に、重要なカギを握ると思うが、それをなんとか・・・を通して明確にして行きたい。
科学的な研究のテーマにしてゆきたい。
ライフワークとして研究したいことが二つあって、
①盲ろう者の状態になって光と音を失って、残されたものが言葉だけであった、・・・交流のある世界中の盲ろう者 ・・・ 人間にとってのコミュニケーションの耳とは何なのかという事を明らかにして行きたい。
②生きる意味とは何か、とか、他者との繋がりを持つ事は自分にとってどういう意味を持つのかとか考えるうえで、・・・最近力を合わせてくれている。
(不満?)というものが人生にどんな意味を持つのかというものをなんらかの形で研究できないか、
・・・障害を通した・・・ 障害を通した哲学的な研究が出来ないか。

*非常に聞き取りにくくて、自分でも理解が出来ず、内容が曖昧になり正しく伝わっていないのではないかと思います。