2016年2月19日金曜日

米山けい子(全国フードバンク 代表)・無駄なく食を分かち合いたい

米山けい子(全国フードバンク推進協議会代表)  ・無駄なく食を分かち合いたい
フードバンクは食品関連の企業などから賞味期限内で有るのにも拘わらず、さまざまな理由で販売できなくなった食品を譲り受け、生活が苦しい家庭や福祉施設などに無償で提供する活動をしています。
全国に40ほどの団体があります。
山梨県南アルプス市のNPO法人フードバンク山梨もその中の一つです。
理事長の米山さんは62歳、2008年からフードバンク山梨の活動を始めました。
フードバンク山梨の支援などを受けている家庭は100世帯余り、集められた食品は月2回支援対象の家庭などに送られています。
フードバンクの活動、活動資金や人材育成など課題も多くこの課題に取り組もうと、去年11月全国の団体が全国フードバンク推進協議会が発足し、米山さんが代表に付きました。

米6トン、缶詰め、インスタント食品等が倉庫にいっぱいあります。
企業は50社と契約しています。
賞味期限が近付いたもの、賞味期限により販売期限があり販売できないもの、社会貢献として支援をしたい企業などがあります。
食糧支援が5名、トータルで10名ぐらいいます。
ボランティアの方も多くかかわってもらっています。
食品の整理、施設への配布、行政との共同に重点を置いています。
かならず食料が必要な方に届く様にしています。
行政の窓口に相談に行くときに、生活保護、制度のはざまにいる人に対して申請書がありますので、申請をしたりしてもらって、行います。
月2回箱の中に食べものもいれますが、心の交流も大切にしていて、手書きの手紙を箱の中に入れて、当事者の方に返信葉書に困ったことなど書いていただいて、市の窓口や関係する窓口などに繋いだりして、改善できてゆくようにしています。

近所に知られたくないという様なこともあるので、活動資金からお金を出して目だたない様に、宅配を使っています。
行政とは違ったNPOが柔軟な対応が出来ると思っています。
返信はがき
「援助有難うございます。 子供を2人育てながら仕事をして不安を抱きながら生活してきましたが、温かいお手紙と食料をいただき涙が止まりません。・・・。」母子家庭からのはがき
「品物が届きました。・・・ここ数年本当に大変な思いをしていました。 2年前一日にとうふ一丁しか食べさせられない時がありました。 身体の大きな孫が空腹で眠れずに夜なかに台所でボーっと立ちすくんでいました。 その姿は今でも忘れません。 ・・・助けていただいて本当に感謝しています。」 孫と二人で暮らす家族からのはがき

1992年 私が仕事をしながらアフリカの子供たちへの米を贈る運動など、海外の貧困問題に関心があり、仲間と一緒に送っていましたが、この活動を始めたのは仕事を2008年に辞めて社会貢献したいとの思いがあり、自宅で一人からフードバンクが必要だと思って始めました。
アメリカでは50年の歴史があります。
苦労はあまり感じませんでしたが、行政にかけあっても、何処にも担当部署がなくて、こういった活動を認知されるまでが大変でした。
食べものを役所の窓口で渡してもらえないかという事で、これは役に立つという事で全県下に広がってきたという経過があります。
企業の方に来ていただいたり出向いたりして交渉したり、又もったいないという思いが最初ありましたが、活動を進める中で貧困の問題が判ってきました。

2009年に事務所が出来てそこに電話があり、食パン一斤も買う事が出来ないという事で自宅に駆け付けて、話しを聞くと、4人家族で大きな家ではあるが家の中もがらんとしていて、暖房も出来なくて、お粥で過ごしていたという事でした。
奥さんが病気になってご主人が仕事を辞めて看病に入ったという事で、数年間は貯金の切り崩し、知人親戚からの借金で、その後僅かの食べものがないという様な状況におちいってしまって、ホームレスとは違って目に見えずに困窮者があるという事に突き当たって、こう言った人達への宅配で 月2回とか送る必要があるのではないかと思いました。
9世帯から始まりました。
フードバンクは政策的には何も明記されていない。(アメリカでは法律に明記されている)
人、事務所、倉庫、車などが必要で、企業との信頼性も必要で、かなり多きな動きになってくるので一般の方からの寄付、補助事業、運営資金は課題になっている。
認知度がまだまだ低いので寄付は少ないです。

2003年から毎年やっているが子供の貧困の調査、食費が1日400円未満が64%。
緑の野菜は食べられず、もやしなどを食べている。
過去一年間必要なものが買えなかった経験があるというのが75%の家庭で有るという事でした。
食べもので買えなかった事の一般の家庭との比較では、よくあった、ときどきあったが80%近くがあり、通常は1~6%程度だが。
重篤な状況にあることが判ってきています。
解決に向かうためには、フードバンクと繋がることによって多くの子供達を広く救う事が出来るのではないかと私は期待をしています。
課題は
①運営資金
②専門家いない、著書などもあまりない
③フードバンク間の情報の共有が進んでいない
④認知度が低い

昨年11月に全国組織が出来る。
次の世代につなげることが大事だと思っています。
シンポジウムをやってきましたが、同意を得て全国フードバンク推進協議会が出来ました。
現在12団体、今後機運が高まってくると思います。
組織がしっかりしてくると、国への政策提言等も進んでいくと思います。
今はコンクリートの上に種をまく様な状況で、今後土壌を豊かにして行くのが全国フードバンク推進協議会の役割だと思っています。
①困窮者支援
②食品ロス
③市民、農家、行政、企業など様々な関係者が集まって出来るという強みがあるのでまさに地域作りだと思っています。

フードドライブキャンペーンをやろうという事で認知度をあげていきたいと思っています。
市民の皆さまから、贈答品、米などの余剰品、等に対するボランティア活動をします。
皆さんに行動していただけるのが、力になります(賛同から参加に!)
子供達を抱えている学校との連携をも考えています。