2017年9月11日月曜日

大河正明(B.LEAGUEチェアマン)・【“2020”に託すもの】Bリーグが拓く未来

大河正明(B・LEAGUEチェアマン)・【“2020”に託すもの】Bリーグが拓く未来
男子バスケットボールのBリーグは日本の統一された新しいトップリーグとして、去年9月に華やかなLEDの照明を仕込んだコートでの開幕戦から始まり,今年5月に栃木ブレックスが初代チャンピオンに輝いて最初のシーズンを終えました。
そして間もなく新しいシーズンを迎えようとしています。
男子バスケットボールのチェアマン大河さんに伺います。

リーグ戦がない期間は3~4カ月ありますが、その間に新しいリーグをどうやって盛り上げて行くか、中長期ビジョンをどう作成して行くかがこの時期になります。
2015年4月に発足して、1年半後にリーグを開幕しなくてはいけなくて、お金、人がいない中よく無事に開幕したことは奇跡に近いと思いました。
開幕戦、試合中LEDが消えてしまわないか緊張はしましたが、大きなインパクトを与えられ物凄い反響でした。
田臥 勇太選手の執念で栃木ブレックスが初代チャンピオンに輝いて、Bリーグが出来て良かったと思います。
1100試合以上の試合が行われましたが、御客さんの数も226万人、B1で50%、B2で33%の御客様の増加と言うことで、50%ぐらい伸びればいいなあと思っていましたが、B1はほぼ達成、B2はもう少し入ってくれればよかったなあと思いました。

日本の男子代表が強くなったり、コーチ、審判のレベルも上げていかなくてはいけないのでまだ第一歩が始まったばっかりと思っています。
2019年中国のワールドカップの予選が始まるので、これからが真価を問われると思っています。
最初は川渕三郎さんがバスケットボール界の改革に登場されて、元々バスケットボールに携わっていた人にとってはなんでサッカーの川渕だと凄く思っていたと思います。
私もそこにも加わりサッカー界にバスケット界は乗っ取られたのかと、最初はそんな意見も多々ありましたが、着実に一つ一つ成果を出してゆく、国際試合出場停止が解除され、良い方に向かっていると感じて、今はそういったことは全く無くなったと思います。
アリーナスポーツに着目して、快適に試合が見られる、お客様との距離感も近く、ハーフタイムでの御客様の参加型のイベント、チアのダンスなど、試合以外のイベントでも盛り上がる様な気配があり、音と光を使ったエンターテイメント、豊かな楽しいアリーナスポーツにしていきたいと強く思いました。

実業団チームもあればプロとして独立して行く流れから来ているチームもありますが、選手は融合していたので、選手の気持ちにはわだかまりはなかったが、経営側が少しうち解けなかった状況だったので、ふたつのリーグが一つになって選手が正真正銘の日本一を決めるんだということなので、チャレンジする気持ちは増えてきたと思います。
今はほとんど体育館でやっていて、エンターテイメント性を最大限表現したことにチャレレンジしてくれたと思います。
24秒以内にはシュートしなくてはいけなくて、攻守の切り替えが激しい、アリーナと一体となった観戦環境があるという意味では、TVで見るよりも面白さは迫力のあるスポーツだと思います。
体育館では靴を履き替えるという処もまだ残っていて、まだ見る側に配慮している訳ではないので、アリーナは履き替えなくていいとか、飲食が出来るとか、良いシートがあるとかは大事でそちらの方向に向かっていきたいと思います。

欧米に比べると見る環境が2周、3周遅れていると思います。
もっともっと快適に見て、皆が幸せ感、地元を感じる日本にしていきたいと大きな目標があります。
支えていただいているのはそこの市民、行政、企業に支えていただいてチームが成り立っているので、地元を意識したクラブを目指してやっています。
スマホの使い方で、飲み物のオーダー、チケットの購入などを色々使えるようになりました。
単にデータを蓄積するのではなく、その利用法を双方向型のサービスを提供できるように考えています。
チケットの購入も1割ぐらいかなあと思っていましたが3~4倍も増えています。
コンサートとスポーツが一体化しているような空間を提供できるということがバスケットのいいところだと思います。

私は中学3年の時は代々木第二体育館での全国大会に出場してベスト4までいきました。
若い頃楽しませて貰ったバスケットボールに何らかの恩返しができればと思って、仕事をすることになりました。
銀行に勤めていましたが、或る時1995年銀行から執行と言うことで、サッカーのJリーグに行くことになり、(当時のチェアマンが川渕さん)又銀行に戻った後、次に執行ではなく辞めてJリーグに行きました。
そしてJリーグからBリーグに移りました。
バスケットボールがプロとして成功する芽はあると思っていました。
どういうふうに見せて行くか、どう強くしていくか、相乗効果により盛り上がると思っていました。
NBAに対するあこがれもあり、日本で出来ないことはないなあと思って、目指してやっていきたいと思っています。
NBAのアリーナ、そういった姿を日本で実現したいと思います。

Jリーグ、Bリーグの違い、両方とも地域に根差したチームを作って行く、全国に広がりが出来て行くと言う根本的な考え方は同じです。
紆余曲折があるが、経営危機に面しても色々な手段を使ってJリーグのクラブの健全経営が実現している。
Bリーグもまずは経営を健全にしてアリーナ、見る側に優しい観戦環境を目指してやっています。
2020年オリンピック オリンピックに向かって日本を世界に売り込むチャンス、スポーツ文化として根付いてスポーツを楽しむ風景、スポーツを見る風景が見られることになる、これが私の一番大きな夢です。
みんなが楽しめて見てよろこんで、これがスポーツだと思っているのでスポーツが文化として根付けば見るのに優しいものがたくさんできて、アリーナ自体が稼げる施設に変わってくれば無駄使いにならないので、そんな世界を早く実現したい、それが私の一番の仕事です。
理想のアリーナが現実にはまだないが、楽しいアリーナを日本にいくつか作っていきたいと思っています。
ワールドカップ予選に代表が活躍してバスケットボールがあるんだぞ、Bリーグがあるんだぞ、ということを国民のみなさんに知ってもらうような、2シーズン目にしたいと思っています。