2017年10月16日月曜日

ヒダノ修一(太鼓ドラマー)        ・【にっぽんの音】

ヒダノ修一(太鼓ドラマー)     ・【にっぽんの音】
1969年生まれ 横浜育ち、鼓道で太鼓を習得後、いろいろなひとたちとセッションしている。
2歳からピアノ、小学校でドラム、中学高校でギター、ベースなどバンドをやり、18歳のときに太鼓と出会う。
父はジャズ好きで母はクラシック好きでした。
クラシックとジャズを高校時代をやって、オペラの歌がやりたくて音楽大学を受験しようと思って受けて落ちて、浪人しようと思ったら太鼓に出会って、物凄い衝撃を受けました。
これなら世界にいけるかもしれないと思いました。
鼓道を見せてもらって、その当日に入れてくれと叫んで、オーディションに来いと言われて佐渡島に行って、翌年19歳で初めて太鼓に触れて鼓道の生活がスタートしました。
自分の名前でやってみたいと思ったのが20歳で、辞めてジャズクラブを案内されて、飛び入りで演奏したら面白くてジャズ界に太鼓でもぐりこみました。

23歳で1300万円の太鼓を買いました、重さは500kg、扉2枚分の大きさ。
トラックも買い、太鼓をセットする機械を100何十万円、全部で1800~1900万円の借金を23歳で背負いました。
世界40カ国以上にいきました。
スティービー・ワンダーからユーチューブで私を見たと言うことで、2010年アジアツアーの2週間前突然電話がかかり、2週間後から始まるがスティービーのためにスケジュールが空けられるかとのことで、(夏場でかきいれ時だったが)5秒考えて「当然だ」と答えました。
友達を無くす勢いで謝罪、謝罪でした。
スティービーとハグしましたが、「ととろ」とハグしているようで優しい気持ちになってこれから2週間全力で働こうと思いました。
ブラジルのセルジオ・メンデスに和太鼓と言っても通じないので、太鼓を叩くドラマーと言うことで、「太鼓ドラマー」と言うふうに呼ぶことにしました。 (太鼓は世界語になっている)

和太鼓と言う様になったのは戦後で、それまでは単に太鼓と言っていました。
私が持っている太鼓の種類は7~8種類です。
盆踊りに使う太鼓は盆太鼓とか、斜め太鼓(斜めにセット)と言ったりします。
日本の太鼓は空気孔があいてないが、アフリカ、アジアの太鼓はどこかに空気孔があいていて、カランと乾いた音がするが、日本の太鼓は湿った音がしてそれが特徴です。
昔は神事に近い、雨乞い、病気平癒とかとしてやってきて村長が叩いたりしていた。
リズムとして発達していなかったので、一拍子で好きに叩く、その人の気分によって違う。
嵐、ももいろクローバーZとも一緒にやったり、T.M.Revolution(西川貴教のソロプロジェクト)、フレンチの三国シェフ、料理の鉄人坂井さん、中華の鉄人脇屋さん、等にも太鼓を教えています。
おおきな太鼓だと1kmぐらい届きます。
モンゴルの大平原でどこまで聞こえるか実験したことがあるそうですが、日本人の耳で2.5km、モンゴル人の耳で4km先まで聞こえたそうです。
耳の聞こえない人にも太鼓の音は感じられる。(身体、肌で感じられる)
*一人で3人分多重録音した「いつまでも」 演奏 ヒダノ修一

海外に行ったときに、日本人を見せてくれと必ず言われます。
太鼓は自分を興奮させるリズムがあり、サンバみたいです。
若い時はロック、歳をとって来るとクラシック、そういう感覚は有ります。
一つ一つの音をより大事にするようになりました。
若い時は間が開いてしまうのが気になっていましたが、間をたのしむようになりました。
グループとして16000団体ぐらい有ると言われています。
アメリカで1000団体、ヨーロッパ、アジアでも有り、太鼓を作る人までいます。
広めた人たちがいて、70年代、80年代世に世界ツアーを行って、世界中に火を付けて各国の火付け役がいて、弟子を育てて太鼓と云えばどこでも通じるようになりました。
プロとしての判断領域がはっきりしていません。
*EnTRANSのアルバムから一人で12人分多重録音した「コロンブス」 作曲、演奏 ヒダノ修一
(EnTRANS=スパイダースの井上堯之(G)、ゴダイゴのミッキー吉野、カシオペアの鳴瀬喜博、カーティス・クリーク・バンドの八木のぶおが集結)

日本の音 からすの鳴く声 テンポが同じで鳴いているのにしびれます。
海外ではカラスの鳴き声を聞かないです。
井上ひさしさんからの言葉で座右の銘にしている。
「難しい事を易しく、易しい事を深く、深い事を愉快に、愉快なことを真面目に」という言葉がありこれが好きで、難しい事をやりたいが易しく見せないと人は付いてこない、易しいだけでは軽いので深みが必要、深さを愉快にしないと面白くない、愉快なことを真面目にやりたい。
これはどんなものにも通じると思う。
太鼓はリズムがなく、だからこそ人生が出るので、ポップな太鼓を見せていきたい。
「アースリズム」 5カ国のアーティストを集めてジャパンツアーをやります。